発達障害の児童を描いた漫画をまとめました。
読んだ作品はポイント(特徴)を書いています。所有している単行本については、1冊1冊感想を書いていく予定です。
※今まで書いた感想の記事はこちらのリンクから見て下さい。
●発達障害に関する育児漫画
グレーゾーン
モンズースーさん
KADOKAWAコミックエッセイプチ大賞受賞。
自閉症スペクトラムの疑い有の長男、毎回検診で発達の遅れを指摘される発達遅めの次男の2人兄弟。
作者(母親)自身もADHD診断済みで他の発達障害の傾向があります。
●作者ブログ「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」
●Twitter:@monnzusu
生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした(モンズースー)
●「コミックエッセイ劇場」で試読できます
●末尾の感想文:『生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした 』(モンズースー)感想~ADHDの母親が描く育児と自分
生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした 入園編 (モンズースー)
こちらが2巻にあたります。
作者自身もADHD(ADDの方が近いそうです)の特性を持つモンズースーさんが、発達障害の息子さん達の幼稚園・保育園入園について描きます。
長男・あゆむくんは幼稚園に。次男・そうすけくんは保育園に。集団生活の様子や新たな課題を描きます。
●「コミックエッセイ劇場」で試読できます。
学習障害(LD)
千葉リョウコさん
ディスレクシア(発達性読み書き障害)の息子・フユくん(高校生)、定型発達の娘・ナツちゃん(中学生)、息子・アキくん(小学生)の3人兄妹弟。
普段はBL系の漫画を描いています。
●Twitter:@chibaryoko
うちの子は字が書けない
ディスレクシア(発達性読み書き障害)の息子・フユくん就学前~高校2年生までが描かれます。
WEBで試読したい場合は、前半をCakesで、後半をWebastaで読む形となります。
●Web asta「うちの子は字が書けない」
●Cakes「うちの子は字が書けない」
●末尾の感想文:『うちの子は字が書けない』(千葉リョウコ)感想~ディスレクシアと合理的配慮について学ぶきっかけとなる漫画
ADHD
かなしろにゃんこ。さん
子どもは3年生でADHDとの診断を受けた息子・リュウ太くん。
元々漫画家で、子どものADHDや発達障害に関する著作が一番多い方です。
●作者ブログ「かなしろにゃんこ。のマンガ絵日記」
●Twitter:@kanashironyanko ※更新されてません
うちの子はADHD
ADHD(注意欠陥多動性障害)を抱える息子・リュウ太くん。保育園入園から小学校での生活が描かれます。医師によるADHD説明コラム付き。
●末尾の感想文:『漫画家ママのうちの子はADHD』(かなしろにゃんこ。)感想~ADHDの息子と集団生活の難しさ
うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!(かなしろにゃんこ。)
2巻にあたります。
思春期を迎えた息子・リュウ太くんの、小4~中学時代が描かれます。障害の告知や親子喧嘩、お金の話、進路選択について等、子どもが大きくなったことで必要になった対応についての体験談です。
●「リタリコ発達ナビ」で試読できます→ 1話 / 2話
かなしろにゃんこ。のマンガ絵日記 ADHD息子の育て方(かなしろにゃんこ。)
学研発の電子書籍版のみの単行本です。楽天Koboやシーモアなど、色々な電子書籍が販売されています。
ブログの再録で、息子・リュウ太くんの様子やかなしろさん自身の日常が描かれます
●作者ブログ「かなしろにゃんこ。のマンガ絵日記」
発達障害 うちの子、将来どーなるのっ!?
ADHDの息子を持つ著者が、精神科医、人材コンサルタントなど複数の人にインタビューして描いた漫画。育児漫画ではありません。
タイトルは違いますが、こちらが電子書籍版です。講談社発で内容紹介にある発売日も2012/9/27なので、多分同じ内容です(読んではいない)。
発達障害 うちの子、人づきあい だいじょーぶ!?
発達障害当事者のコミュニケーションや人間関係についてインタビューし体験談を描いた漫画。育児漫画ではありません。
ラム*カナさん
4歳でADHDの判定を受けた長男・キョウタ(7歳)、(定型発達の)次男・アイキ(5歳)の2人兄弟。
●作者ブログ「アホ男子牧場」
カラフル男子牧場 -ADHD長男とお調子者次男の兄弟物語-
ブログがきっかけで書籍化。
暗さがなく、明るくほがらかな漫画です。良い意味で”育児漫画らしい”一冊。
●出版社サイトで試読できます
広汎性発達障害
君影草さん
1996年生まれの息子・ヨシ君。
知的障害ボーダーで、睡眠障害、字が書けない(学習障害)等の発達障害があります。
作中で離婚についても描かれ、シングルで育児をしています。
現在はネット活動はしていないようです。
●作者ブログ「まいたけホームページ」
●Twitter:@kimi_kagekusa
●Pixiv:君影草 (「はざまのセイカツ」というコミックエッセイを掲載)
はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児(原作:君影草/漫画:沖田×華)
原作は君影草さん。漫画担当の沖田×華さんも学習障害、ADHD、アスペルガー症候群です。
Kindle版はKindle Unlimited対象。
●末尾の感想文:『はざまのコドモ』(作:君影草、画:沖田×華)感想~支援が必要なのに受けることができない親の苦悩
トマコさん
3人兄弟(なぁ太、コン吉、たい蔵)。
発達障害を持つのは長男・なぁ太くん(高機能広汎性発達障害)。次男コン吉もかつてADHDと診断されました。
今出ている漫画の中では一番「夫(父親)を巻き込む」「夫(父親)と一緒に対処する」ことについて描いてあると思います。
検査していませんが、親であるトマコさんと夫も子どもの頃発達障害だったのでは?と語っています。
●作者ブログ「あぁ、トマコの生きる道」
●Twitter:@tomakodo
うちの子って発達障害!?
2巻まで刊行しています。
1巻では幼稚園入園~小学校2年生まで。幼稚園入園後、違和感を感じて幼稚園年長時に検査するも問題ないと言われ、小学校入学(通常学級)。1年生で再検査、発達障害との診断。その後2年生までの生活が描かれます。
●作者さんのブログで試読できます
●末尾の感想文:『うちの子って発達障害! ?ただいま子育て迷走中』(トマコ)感想~親の考え方や心構えを学べる1冊
2巻では3年生~4年生の2年間。3年生で授業に参加できなくなっていく。再度発達障害の検査を受けるも病院によって対応はバラバラ。学校側の対応も色々。色々考えた末4年生で特別支援学級に変更するまでが描かれます。
●末尾の感想文:『うちの子って発達障害! ?2ただいま進路は迷走中!』(トマコ)感想~発達障害グレーゾーンの子が支援学級に移るまで
平岡禎之さん
全員発達障害の妻、長女、長男、次女、次男の5人を、発達障害のない父(夫)が描いています。
私は読んでいませんが、調べる限りだと子どもの年齢が一番高いのはこの作品です(作者54歳、長女32歳、末っ子の次男19歳)。
検査を受けてはないのか?レビューではグレーゾーンとされています。
「読書メーター」での感想も読みましたが、高評価で、勧められて読んだ人も多い本です。
●作者ブログ「地球人なりきりスーツ」
うちの火星人 5人全員発達障がいの家族を守るための"取扱説明書"
4コマ漫画+エッセイ(文章)。
●朝日新聞「妻子5人が発達障害 「うちの火星人」漫画とエッセーに」
しおりさん
先天性サイトメガロウイルス感染症の息子・カム君(インスタによると現在10歳)のお母さん。
耳が聞こえない・話せないという障害の他、発達障害(知的障害・睡眠障害・摂食障害・感覚過敏・強いこだわりを示す)があるようです。
Instagramで人気を得て書籍化。
●作者ブログ「カムホーム」
●作者Instagram:@bepo_shiori
話せない、聞こえない。それはさておき、息子カムは今日もゆく。(しおり)
漫画では障害の辛さ・難しさではなく、カム君の愛らしい様子が描かれています。文章コラムを読むと大変さが伝わりますが、全体的に明るい雰囲気です。
山口かこさん
1975年愛知県生まれ。1歳で父親と死別し、母親に育てられました。
娘・たからちゃん2歳7か月のときに広汎性発達障害と診断を受けます。
母親やめてもいいですか((作)山口かこ(絵)にしかわたく)
育児漫画ではなく母親漫画です。
発売当時(2013年)は批判が殺到していました。amazonレビューが育児系漫画としては珍しいくらい荒れていたのを覚えています。最近(2016年頃?文庫版が発売された頃から)評価が変わった気がします。
娘が発達障害と診断され療育などを始めるも、「普通の育児がしたかった」と現実逃避し始め、だんだんと家庭が崩壊していく。最終的には不倫をして離婚、親権は父が持ち、娘とも離れ離れになります。
個人的には、徹底的にダメな部分を曝け出している点は評価しています。共感できない面も多々ありますし色々思う所はあります。
●末尾の感想文:『母親やめてもいいですか』(作:山口かこ/画:にしかわたく)感想~母親をやめた女性の赤裸々な告白
アスペルガー症候群
ひろせみほ/寺島ヒロさん
ペンネーム違いますが同じ人です。大分県在住の女性漫画家。
数学的才能とアスペルガーの症状がある息子・タケル君と音楽の申し子である娘・いっちゃんの2人兄妹。
作者も発達障害の傾向があるようです(検査は受けてない)。
●作者ブログ「でこぼこ兄妹日記」
●Twitter:@terashimahiro
育児漫画とは別にnoteで「くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談」を連載中(有料、1話200円/1カ月4話まとめて500円)。
デキバカ
Kindleでのセルフパブリッシング。Kindle Unlimited対象。
タケルくん小学生頃の話が中心です。元々発達障害の情報サイトで連載していたこともあり、発達障害あるあるが多い気がします。
●【でこぼこ生活研究所】にて14話まで読めます。
●末尾の感想文:『デキバカ』(ひろせみほ)感想~アスペルガー症候群の息子と眠れない娘がかわいい育児漫画
でこぼこ兄妹日記
学研発の電子書籍版のみの単行本です。楽天Koboやシーモアなど、色々な電子書籍が販売されています。
ブログ漫画の再録。タケル君高校生。いっちゃん小学生。
ほのぼのとした4コマ漫画で、普通の育児漫画として読む感じの作品です。
●末尾の感想文:『でこぼこ兄妹日記』(寺島ヒロ)感想~ちょっと変わった兄妹を描いた育児漫画
自閉症
十子さん
自閉症スペクトラムと軽度知的障害の息子・といろくん。
●作者ブログ「十人十色oO自閉症スペクトラムの息子との日々徒然Oo」
でこぼ子育児日記 ~うちの子、発達障害?~
といろくんが産まれてから2歳半で検査を受け自閉症スペクトラムと診断。その後3歳くらいまでを描いています。
●末尾の感想文:『でこぼ子育児日記~うちの子、発達障害』(十子)感想~娘から母になり、息子の障害を受け入れるまで
アマミモヨリさん
自閉症スペクトラムの息子・ヒルマくん(2008年生)。
●作者ブログ「甘味生活*育児絵日記」
うちの子は育てにくい子~発達障害の息子と私が学んだ大切なこと~
絵日記風の本です。漫画より文章が多め。実体験をもとにしたアドバイス集のような1冊です。
3部構成になっています。
1)ヒルマくんが産まれてから2歳で検査・初期療育を開始。何度かの検査を受け小学校入学(6歳)までの日々
2)育てにくい子を穏やかに育てる「親の習慣」
3)育てにくい子を穏やかに育てる「暮らしの工夫」
しまくまさん
自閉症の息子さん、起立性調節障害の娘さん。作者自身もADHD。
●Twitter:@shimakumadayo
●Pixiv:ままろぐまんが
ままろぐまんが: 自閉症児ひろたんとマイペースライフ記
Kindleでのセルフパブリッシングです。Kindle Unlimited対象。
おでんじんさん
子どもは自閉症であり知的な遅れがあるねっちさん(息子)。
父親視点での漫画です。
発達障害の子との日常4コマまんが うちのねっちさん
Kindleでのセルフパブリッシングです。Kindle Unlimited対象。
●福祉作業所「た~とるうぃず」サイトにて連載中
moroさん
自閉症児の息子・こもたろくんを中心に描いた漫画。2歳上の姉・こもろちゃんも描いています。
「すくパラブログ総選挙(2012秋冬)」にて大賞を受賞。
●作者ブログ「moroの家族と、ハンドメイドと。」
●すくパラぷらす連載moroの家族と、ハンドメイドと。
ぎゅっと抱きしめたい 自閉症児こもたろのドタバタ成長記
ブログの書籍化。2巻まで刊行。
生まれたのは自閉症くん。
すくパラぷらすの連載作の単行本化。
自閉症くんは1年生
すくパラぷらすの連載作の単行本化。2巻にあたります。
自閉症くんの母、やってます
すくパラぷらすの連載作の単行本化。3巻にあたります。
阿部晴果さん
自閉症の弟・こうちゃんを持つ定型発達の姉(1歳差)。
●Twitter:@abe_haruka
自閉症って知ってる?―知れば知るほどおもしろい!私の弟こうちゃん
姉の立場で自閉症の弟のことや親の様子について描いています。元は大学の卒業研究だったようです。
こうちゃん0歳~保育園~小学校(特殊学級)~中学校(特殊学級)~高校(私立普通科)~就職・社会人生活までを描いています。漫画の後に文章コラムも収録されています。
個人的に、自閉症を理解する入門書として読むと良いように感じました。情報量のバランスが良く、眼差しが温かい(愛情を感じられる)のも良いです。学生や教師志望の方に読んで欲しいような。読書感想文コンクール(小学校高学年の部)の対象書籍になったようなので小学校高学年なら読めるかも知れません。
●末尾の感想文:『自閉症って知ってる?』(阿部晴果)感想~姉から見たユーモアな弟・こうちゃんの記録
番外
浪花愛さん
長女・星見ちゃん、長男・光くん。
光くんが5歳のとき、軽度の知的障害児との診断を受けました。
来訪者シリーズ
療育などについては描いていない、普通の育児漫画です。
絶版しているので購入する場合は古本になります。ラポート版、桜桃書房版、ともに全5巻。
青木光恵さん
娘・ちゅんこちゃん。
育児漫画は中学・高校での不登校について描いた『中学なんていらない』『不登校の17歳。』を描いています。
生きてりゃいいさ!
雑誌「すくすくパラダイス」での連載をKindleでセルフパブリッシングしたもの。Unlimited対象。
作中で、周囲や担任に「発達障害では?」と言われ、小学6年生くらいの時期に検査を受けに行ったことが描かれています。発達障害ではない、との診断でした。
発達障害では?の前は「愛情不足では?」「躾ができてない」等も言われたようで(無限ループのように)、描写自体は少ないながらも大変さは伝わってきます。
●末尾の感想文:『生きてりゃいいさ!』(青木光恵)感想~無事生きてくれてよかった!そう思えばいいやん!!~
イサヤマさん
作者のイサヤマさんは、軽いアスペルガー症候群(高機能広汎性発達障害)と診断された、女性。
ご家族は、アスペルガー症候群の息子さん、イサヤマさん、旦那様の3人です。
アスペ息子とソフトアスぺ母ちゃん
この作品だけ単行本ではなく、個人がPixivで発表している無料漫画です。
アスペルガー症候群の息子さんと、検査の結果「ソフトアスペ」と言われたお母さん(作者)を描いた漫画です。いろいろな人に読んで欲しいな。
●Pixiv:『アスペ息子とソフトアスぺ母ちゃん』
●末尾の感想文:【WEB漫画】『アスペ息子とソフトアスぺ母ちゃん』(イサヤマ)感想~読む人の心を動かす、フラットな体験談~
番外2:創作漫画
創作漫画で、発達障害の主人公が登場する漫画の中で、子育て世代でも読みやすそうなもの。
プロチチ(逢坂みえこ)
主人公・直はアスペルガー症候群の男性。直が「プロチチ」(専業主夫)として赤ちゃん・太郎を育てる姿をコミカルに描きます。軽く楽しく読めますが、深く読み込んでも楽しめる作品。全4巻。
●末尾の感想文:【情報】逢坂みえこさんの『プロチチ』~主人公に共感できる名作~
ぼくの素晴らしい人生(愛本みずほ)
生まれつき文字の読み書きが苦手な主人公・忍、最終学歴:中卒(高校中退)。
物語は、主人公がディスレクシアという障害の存在を知ることから始まります。演劇と絡めて、文字や障害と葛藤する忍の姿が描かれます。講談社BELOVEにて連載中。2018年11月現在3巻まで。
●末尾の感想文:『ぼくの素晴らしい人生』(愛本みずほ)感想~ディスレクシアの青年を描く物語
まとめ
育児漫画単体で20冊くらいかな?
2015年頃から増えてきました。中古本の価格が下がらない、古いものも長く販売されているのが特徴です。
男の子については結構カバーしているのですが、女の子を描いた漫画はほぼないです。
1冊あるけど、その1冊が母親漫画で発達障害のことは分からないという…。
発達障害は男の子のほうが生じやすいという説と、女の子は気付かれにくいだけという説があり、この辺はまだまだ研究が必要みたいです。
どうでもいい話だけど「うちの子」てタイトルが多いな…。
それでは~