【発達障害】に関する育児漫画情報

『でこぼ子育児日記~うちの子、発達障害』(十子)感想~娘から母になり、息子の障害を受け入れるまで

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今日から「発達障害特集」に戻ります。お待たせしてすみません。

2017年4月に発売された『でこぼ子育児日記』。
息子さんが誕生し、3歳の時に「自閉症スペクトラム障害」と診断を受けるまで、そして子どもの障害を受け入れるまでを丁寧に描いた作品。
読みながら泣いてしまいました。

112ページ、1080円(税込)です。

【内容紹介】

育児に悩むすべての人へ。

うちの子、他の子と違う!?
他の子よりことばが遅い。落ち着きがない。
みんなできていることができない。
うちの子もしかして発達障害?
子どもが3歳になるまで確実な診断ができない。
障害かそうでないか診断されるまで、グレーな期間の悩みと疑問。不安でいっぱいの初めての育児。

辛いことも幸せなことも。等身大の育児エッセイコミック。

amazonの内容紹介より引用

【感想と解説】

作者のプロフィール

十子さんは、育児漫画ブロガー。年齢等詳細は公表していません。
家族は夫と、息子・といろくんの3人。作中に夫(父)はほぼ出てきません。

息子・といろくんが3歳になり、自閉症スペクトラム障害と診断された後、2016年5月からブログを開始。
●作者ブログ「十人十色oO自閉症スペクトラムの息子との日々徒然Oo

そのブログが宙出版「ネクスト大賞」で期待賞となり、単行本として発売されたのがこの本です。

発達障害を持つのは息子・といろくん。

といろくんは3歳で自閉症スペクトラム障害と軽度知的障害の診断を受けています。
少し多動っぽい傾向があり、偏食らしいです(ブログより)。

漫画の構成

漫画ではといろくん誕生から、色々な体験・行動を経て、3歳で発達障害の診断を受けるまでが描かれます。
といろくんの様子も描かれますが、母親である十子さんの気持ちの描写が多いと感じます。

はじめに、本編9章、あとがき、で構成されています。目次はこちら。

章によって色々ですが、文章が多めな印象です。
ブログの記事をほぼそのまま収録している部分もあれば、描き下ろしている部分もあります。

基本はブログと近い、4コマ漫画+文章での構成。

漫画だけ(描き下ろし部分)で、コミックエッセイ風なものもあります。

文章だけのページもあります。

写真にすると余白や行間が多いと感じるかも知れませんが、初めての子育て・イヤイヤ期・そして発達の遅れや不安を感じる…といった方が読むには、ゆったりとして読みやすい構成かと思います。

この漫画の特徴

他の作品と比べて特徴的だと思うのは、以下の点です。

・3歳までの体験談に絞っている
・作者が「障害を受け入れるまで」の不安や葛藤が丁寧に綴られている
・実親・義理の親との関係が他より詳しく描かれている

作者の十子さんが息子が他の子と違うことに気付き、もがき、不安にさいなまれながらも、息子の障害を受け入れるまで、が丁寧に綴られています。

「子どもが発達障害なのか?日々、不安に感じる母親の気持ち」を中心に据えて掘り下げているのは今作だけだと思います。
(正確には『母親やめてもいいですか』という作品もありますが…。この本の感想も書く予定です)

息子・といろくんの発達障害の症状

上にも書きましたが、診断としては「自閉症スペクトラム障害」と「軽度知的障害」。
多動っぽい行動が見られ、偏食気味、牛乳アレルギーでもあるようです。

漫画の中で描かれていた行動は

・あまり笑わない(赤ちゃんの頃)
・偏食
・発語が遅い(1歳を過ぎてから)
・クレーン動作
・多動の傾向がある

…などです。

3歳までの3年間に絞って描かれている分、1つ1つの出来事を深く掘り下げてあるとも感じます。

母親自身の苦悩や葛藤

十子さんはといろくんの様子を見て「あれ?」と思った時はネットで検索。「発達障害」や「自閉症」の文字を見ては否定する、を繰り返します。
これ、あまり良くないんだけど現在の育児あるあるですよね…(不安が増すからネット情報は宛てにしない方が良いと思う…。「リタリコ」みたく、信頼のおける専門のサイトは別だけど…。)

発達障害なのか、ただの遅れなのか。

”みんなとおなじことができない”

不安のあまりイライラしてしまう様子も描かれています。

読みながら「そうだよね。どれだけ頭で理解していても、難しいよね」と感じました。

十子さんが描くのは、自分自身の中にある、理想的な子育てという幻想。障害に対する差別のような感情。普通に生活していると、気付きにくい壁のようなもの。

その時その時、自分自身の気持ちを丁寧に描くことで、その壁に気付き、自分の気持ちも変化していく。
気持ちが変化したことで、といろ君への接し方も変わり、反応も変わっていく。

作者のイライラや悩み、不安に感じる様子を読むのは辛かったのですが、読み終えた時の読後感は良いです。

実親・義理の親との関係

この部分も、他の作品より詳しく描かれていると思いました。(総量としては文字と漫画合わせて10ページ程度です)
とりあえず最初に障害について伝えた時は、両家の親共に「全く話が通じない」

義理の母親は近所に住んでいます。療育に行くことには賛成。

実の母親は遠方に住み、年2回会う程度。といろくんの障害については懐疑的というかなんというか…。とりあえず療育に行くのは反対していたようです。

実母とのやりとりを経て、十子さんは「娘」から「母親」へと変化していきます。

この気付き、大切ですよね。私も過去にこういう切り替えをしました。
母は母ですが、その前に人として付き合っている感があります。心の距離を作ったことで、育児に関する母の言葉(基本的にはアドバイスだけど、たまにヒドイことも言う…笑)に揺れることはありません。

まとめ

試し読みページはありませんが、ほぼ同じエピソードがブログに書かれているので、興味があればブログを読んでみることをお勧めします。

●作者ブログ「十人十色oO自閉症スペクトラムの息子との日々徒然Oo

他の発達障害児を描いた漫画は一歩引いた目線で読むことが多いのですが、今作は感情移入しながら、泣きながら読みました。
特に3歳までの、小さいお子さんを持つ方、発達障害との診断を受けて不安に思っている方に読んで欲しいと思います。

上述しましたが、読後感はとても良いです。それも含めて、お勧めの1冊です。

【余談】他の育児漫画に描かれた、子どもが車で遊ぶ様子

発達障害の漫画を読んでいる時、男の子が多いせいか、車で遊ぶ様子がよく出ます。

十子さんは作中で「タイヤに目線を合わせる」で検索して、検索結果に衝撃を覚えていました。
育児漫画は色々読んでますが、定型発達児を描いた漫画でも、同じ遊び方をしています(十子さんも定型発達の子がといろくんと同じようにタイヤに目線を合わせて遊んでいたことを描いています)。

富士屋カツヒトさんのTwitter漫画

打ち切り漫画家(28歳)、パパになる。』の富士屋カツヒトさんがTwitterで公開している漫画では、2歳の息子・きーちゃんが車に目線を合わせて遊ぶ様子が描かれています。
父親である富士屋さんも、その気持ちを理解して説明しています。

大原さんちのムスコさん』(大原由軌子)

息子・タケ君。2歳くらいかな?最初の言葉は「いや」。几帳面で気難しい性格。

自動車が好きで、きっちりと並べて遊ぶ。お母さんが触れると怒る。

「2歳くらいの子どもが自動車を並べる」は自閉症児によく見られる行動のようです。
しかし、タケ君は目を合わせて話は出来るようだし発達の遅れについても描かれていません。

『大原さんち~』では、お父さんが理解を示し、タケ君の気持ちを代弁します。
タケくんのように、単純にこだわりが強い子もいます。

「タイヤに目線を合わせる」「車を並べる」は他にも見た覚えがあるのですが、すっと思い出せたのはこの2作でした。

私は育児の専門家でも、発達障害の専門家でもありませんが、「車で遊ぶ様子」だけで、「この子は発達障害!?」と断じるのは難しいと感じています。
不安を感じるのであれば検索してヒットした情報を読むのではなく、医師や保健センターなど、専門家がいるところで相談した方が良いと思っています。

ネット情報はデマも多い

作品の感想から外れた話となりますが。
発達障害について調べていて真に怪しいサイトには出会っていませんが、育児系情報サイトはおかしなことを書いているところも少なくありません。

医療的に危ない、怪しい、エビデンス(研究など数値的・データ的な根拠)がないものを紹介したり、不安をあおって教材やサプリメントを売ろうとするサイトも多いです。お気をつけくださいね。

一例で森戸やすみ先生の最近のツイートを引用します(育児漫画ブログを運営する、小児科医です)。

それでは~

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この感想は「発達障害特集」の一環です。今まで書いた「発達障害特集」の記事はこちら。
発達障害に関する育児漫画

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