【発達障害】に関する育児漫画情報

『生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした 』(モンズースー)感想~ADHDの母親が描く育児と自分

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多分、現時点で一番読まれている発達障害児を描いた育児漫画です。

作者自身も発達障害当事者(ADHD)である作品は珍しいです。
困難さが前面に出ているのに明るさがある。不思議な作品です。

175ページ、1080円(税込)です。
●「コミックエッセイ劇場」で試読できます。

(レビュー)
amazon ★★★★★(4.5)
楽天 ★★★★★(5.0) ※レビュー2件

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【内容紹介】

【月間180万PV! アメブロ総合第1位!】
幼いころから生きづらさを抱えていた私が生んだ子は、二人とも発達障害グレーゾーンでした。

未来が怖い、人目が怖い、集団が怖い。
絶望と希望を繰り返しながら、それでもなんとか前向きに生きていく姿に、共感と応援の声!
アメブロで総合1位を獲得した実録コミックエッセイが、未発表秘話を100ページ以上収録し、発売です。

amazonの内容紹介より引用

【感想と解説】

作者のプロフィール

作者のモンズースーさんはADHD診断済み、他の発達障害の傾向もある女性。息子2人と夫の4人家族。
ADHDでも多動が少なく不注意優位型のADDに近いようです。

●作者ブログ「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした
●Twitter:@monnzusu

2015年8月、第29回KADOKAWAコミックエッセイプチ大賞のB賞を受賞。
受賞作は現在と雰囲気が違っています。これはこれで胸に迫るものがあります。
【B賞】生きづらいと思ってたら親子で発達障害でした/モンズースー

同じく2015年8月からアメブロを開始して人気を得ました。

子どもは男の子2人。2人とも発達障害グレーゾーンです。
長男・そうすけくんは自閉症スペクトラムの疑い有。
次男・あゆむくんは毎回検診で発達の遅れを指摘されているようです。

あとがきで説明されていますが「本人と子ども以外は出来るだけ描かない」という方針の為、夫はほぼ登場しません。
ついでに書くと転勤族で、子どもが小さい頃は一緒に引っ越していたけれど、現在は単身赴任で離れて暮らしているようです。

第5話「思い当たる過去」-10(作者ブログより)

発達障害グレーゾーン

個人的に一番ひっかかったポイントなので具体的に書いておきます。

「発達障害グレーゾーン」という言葉には色々な意味があるようでして。調べましたが、ざっくり3つの意味があるようです。

A)診断を受け発達障害とされたが、低年齢なので明確な名称がつかない状態
B)発達障害だけど、知的障害を伴わない状態
C)発達障害と思い診断を受けたが定型発達(通常児)とされた

モンズースーさんのいう「グレーゾーン」はA)B)のタイプ。
そうすけくんは医師の診断を受け「何かしらの発達障害ではある」「知的な遅れはない」と言われています。

なので「定型発達と発達障害のグレーゾーンにいる難しさ」を描いた漫画ではありません。

漫画の構成

発達障害(ADHD)当事者の自分の体験談、発達障害グレーゾーンの長男の話、発達遅れ気味の次男の話が描かれます。

目次はこんな感じ。

まえがき漫画2ページ、本編1話8ページ×14話、あとがき漫画3ページ。
間に発達障害について解説するような4コマ漫画が13ページ。
文章のあとがき2ページ、小児科医による解説2ページ、という構成です。

この漫画の特徴

・2人の子どもの発達障害について描いていること
・子どもが小さい時期(生まれて~4歳くらいまで)を描いていること
・作者(親)も発達障害(ADHD)当事者であること

体験談を読んで参考にするというよりは、作者の苦しみや悩みに共感するタイプの漫画だと思います。
自身も発達障害を持つ育児漫画作家さんには他に寺島ヒロさん、しまくまさんがいますがどちらもKindle(セルフパブリッシング)なので、単行本だと今作だけです。

長男・そうすけくんの発達障害

発達が遅いだけでなく、癇癪が多い・目を合わせないなどの症状が見られたそうすけくん。
0歳児の時は育てやすかったのに、1歳に近づいた頃から噛み癖などが出て育てにくいと感じるようになります。
おっぱいへの執着が強く、爪噛み、頭を壁にぶつける等の自傷行動も起き始めました。

漠然とした不安を抱えながらも相談してよい話なのか、ただの育児の悩みなのかも…と考え込む。相談先もわからない。悶々とした日々。
1歳半検診をきっかけに、心理士に相談することになります。

この辺の流れは読んでいて痛々しかったです。苦しかっただろうなあ…。

他の発達障害児童漫画に比べて描写が多いと感じたのは

・癇癪がひどい
・味覚過敏?(偏食が激しい)
・こだわり(母乳への執着が強い)

…の3点でしょうか。
癇癪については、モンズースーさんが実際に行っている対応策も描いてあります。

偏食については「食べられるものを出す」という対応が描かれています。それ以外の対応は難しい気もする…。
後述しますが偏食が酷かったたかはまこさんの息子・陶太くんの時も「食べられるものを出す」で対処してました。

「偏食」と言っていますが味の好き嫌いの問題より根深いです。発達障害の子も多いですが、定型発達の子もいます。

・味覚過敏(口の中が痛い、味が濃すぎると感じる)
・触覚過敏(口の中が痛い、食感が苦手)
・視覚過敏(細かい部分が見え過ぎて抵抗感がある」)
・聴覚過敏(食べ物を噛む音が不快)
・温度が気になる
・初めての食べ物への不安

NHKの記事によると「事前に説明する」だけでも違うようですが…。単純な「偏食」とは全く違います。
子どもの“偏食” 実態明らかに(NHKおはよう日本)

偏食の対策についてはこの記事が参考になるような気がしました。色々な方の体験談が寄せられています。
超偏食の発達障害児‥どうすればいいかわからない(発言小町)

そうすけくんの療育の様子

そうすけくんは10カ月くらいから4歳くらいまでが描かれます。

普通の保育園に通う

支援センターの発達遅れの子の集まりで週1回の療育を受ける(2歳くらい?)

就学前の幼児の集まりに参加(週1回)

特別支援学校の幼稚園への入園を決める

モンズースーさんは色々な場所に相談したりしていますが。支援ってなんだろう…?と思わずにはいられなかった。
この件で感じるのは、対応が的確な所と全然筋違いな対応をする所があるということで。

支援センターで言われた「今日で卒業で~」という言葉。事前に打診や相談があるわけでもなく、今日で。そんな簡単なものではないでしょうに…。

主治医が知識も行動力もある方だったから良かったものの…。こういう先生に巡り合わなかったらどうなっていたんだろう?
しかしこういった理不尽な体験は他の方も描いているので、現時点では「それが普通」のようで…。相談先によって対応・回答が違うことを前提に、自分が納得できる相談先を探すしかないようです。うーん、切ない。

次男妊娠・誕生と療育の様子

次男・あゆむくんは妊娠~1歳3カ月まで。そうすけくんよりページ数は少ないです。

次男を妊娠したのは発達障害診断の前で、妊娠中に長男と自身が発達障害ということが分かりました。
2人目の子どもも同じように発達障害なのではないか…と悩む様子や、実際に発達が遅いことが描かれます。

次男・あゆむくんは1歳で「発達の遅れ」を指摘されます。

その後の療育についても描かれます。
インタビューを読むと、あゆむくんは(そうすけくんと違い)癇癪がないので保育園に通っているそうです。

そうすけくんは「言葉の発達」、あゆむくんは「身体の発達」をきっかけに療育を始めています。
発達障害グレーゾーンの兄弟といっても、それぞれ特性が違うということが分かります。

作者(母親)自身の発達障害

子どもの発達障害について調べたことをきっかけに、自分自身も発達障害なのでは?と思い始め、病院に行き検査を受けた結果、ADHDと診断されます。

現在、発達障害の子どもを描いた漫画の多くは「親が定型発達」です。
「発達障害児がとった行動」が具体的に描かれていることは多いのですが、頭の中がどうなっているか、心情がどうか、は掴みにくいです。

モンズースーさんは自身が発達障害を持つので、自身の体験を描いたり子の気持ちを想像することが出来る。
発達障害者の「状態」が伝わりやすいと思いました。

作者が小さい頃どうだったか、子どもと共通する点はどういった部分か?等も説明されます。
ADD寄りのADHDらしいのですが、体験談を読んでいると短期記憶障害やディスレクシア(学習障害)もあるように見えました。

個人的にこの表現は視覚的に伝わりやすいので、漫画としてうまいと思いました。

まとめ

苦しさ、辛さを描いているものの、悲壮感はなく、全体に前向きな雰囲気です。読後感は良いです。

単行本発売後にインタビューをたくさん受けているようなので、こちらも読むと漫画で描かれていない部分の話も分かります。
「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」の著者、モンズースーさんに会ってきた!
発達障害の子は支援学校の方がいい? 漫画『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』モンズースーさんに聞いた
「生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした」モンズースーさんインタビュー
ADHDと診断されて「たすけて」が言えるように。"親子で発達障害"の現実、漫画家モンズースーさんが語る

千葉リョウコさんの『うちの子は字が書けない』の感想記事もそうですが、感想と解説が入り乱れています。
読んで「共感した…!」というより「発達障害ってこういうものなのか…」と気付かされたり、「これってどういう意味?他に対処方法はないの??」などと調べながら読んでいるので、自分でも「本を読むことをきっかけにした自由研究」のように感じています。

この感想は「発達障害特集」の一環です。今まで書いた「発達障害特集」の記事はこちら。
発達障害に関する育児漫画

【余談】こういう育児漫画無いの?と思った場合

親である自分も発達障害の場合

親である自分も発達障害かも…と思い悩んでいて他の人の作品が読みたい場合。

Pixivで公開しているイサヤマさん(作者がアスペルガー症候群)、ブログで活動している寺島ヒロ(旧PNひろせみほ)さんの『デキバカ』やブログ「でこぼこ兄妹日記」を読むと良いかも知れません。

イサヤマさんの方は親からの虐待(実父も発達障害?と思われる)についても描いているのでヘビーな印象。息子さんは現在幼稚園年長。アスペルガー症候群です。
アスペ息子とソフトアスペ母ちゃん(イサヤマ)

寺島ヒロ(ひろせみほ)さんは全体にポップで明るい印象です。
2人の子どもはアスペルガー症候群(息子)とサヴァン症候群(娘、音楽に関するギフテッド)です。
2人とも不眠や感覚過敏、朝起きられない等の描写はあるので悩みもあると思うけど、漫画は明るくちょっと笑えるものです。

デキバカ(ひろせみほ/寺島ヒロ)
でこぼこ兄妹日記(寺島ヒロ)

グレーゾーンの子を描いた漫画が読みたい

グレーゾーンの子を描いた育児漫画としては「発達障害と判定されたが、知的障害はグレーゾーン」という体験談を描いた『はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児』があります(就学前から高校時代までを描いています)。

また、トマコさんの『うちの子って発達障害! ?』の2巻(広汎性発達障害)には、小学校で普通学級にするか支援学級にするか迷った時、「病院によって判定が違って困った」といった体験談が描かれています。
「発達障害」と判定されたり、「定型発達で問題なし」と言われたり。この辺も難しいですね。

これらの作品の感想も書く予定です。

味覚過敏(偏食)の子を描いた漫画が読みたい

味覚過敏(偏食)については、たかはまこさんの息子・陶太くんも酷かったです…(陶太くんは発達障害ではありません)。
離乳食から食べる意欲が薄く、2歳くらいから白いご飯の他10種類くらいしか食べることができない。1回の食事に1時間半かかる…といった体験談が『たたかえ!お母さん 』に描かれています。

成長するにつれ少しづつ改善したようですが、昔も今も、陶太くんには「食べることは苦痛」だったようです。
たかはまこさんの場合も食べられるものを与える、という策で対応していました。以下は『笑うママの生活 』の1コマ。

長くなりましたがそれでは~。

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