Twitterに投稿した感想です。
それではどうぞ~
毒婦 和歌山カレー事件20年目の真実(田中ひかる)
田中ひかるさんの『毒婦 和歌山カレー事件20年目の真実』読了。
和歌山カレー事件の報道の変化や、検察の主張の矛盾点を丁寧に積み重ねて書かれた本です。
ジャンルとしてはルポルタージュでしょうが、ある種のホラーと言うか。読みながらだんだんと、怖くなりました。 pic.twitter.com/c762pH6F20
— 末尾 (@matu_bi_) 2018年11月16日
作者さんのSNS情報
作者の田中ひかるさんは歴史社会学者。SNSはやってないようです。
●サイト:田中ひかるのウェブサイト
感想
結論を言ってしまうと、「和歌山カレー事件は冤罪の可能性が高い」という、静かな主張です。
そして冤罪が産まれる構造のようなものが見える。
それはグロテスクでも何でもなく、身近にありそうな構造にも見える。
私もある日突然、犯人に仕立て上げられるかも…。
そんな不安が浮かぶくらい、割とアッサリと犯人扱いされ、死刑宣告も受けているのですね、林真須美被告は。
子ども達は施設に送られ、親と離れて20年という歳月を過ごしていて。
暴走とも言える、その流れを止めることが、出来なかった不思議。
面白がる話では無いけれど、読み応えのある一冊でした。
田中ひかるさんの著作
この本は、田中ひかるさんが書いていたから読みました。
田中ひかるさんの本はやはり面白いし丁寧ですね。
『生理用品の社会史-タブーから一大ビジネスへ』も面白かったです。
歴史的な資料を丁寧に積み重ねて描いてあるのが特徴かな。
-
【読後感想】『生理用品の社会史-タブーから一大ビジネスへ』(田中ひかる)~生理用品の登場と”月経観”の変化の記録~
「読んで読んで!みんな読んで!」…て思うくらい、丁寧に綴られた本でした。 最初は単純に「生理用品の歴史か~!面白そう!」…だったんですけど、読んでいくと「女性が権利を取り戻していく歴史」のようにも思い ...
マスコミは何をしているのだろう?
大騒ぎだった『和歌山カレー事件』、えん罪っぽいというか、えん罪じゃないと説明がつかない…。
こういった指摘は大事だと思うんですが、研究者ではなくマスコミの仕事な気はするんですよね…。
(田中ひかるさんは社会学者という認識でいます。)
作品が気になった方はこちらの記事もどうぞ~
●和歌山カレー事件・20年目の真実〜林真須美は本当に毒を入れたのか(田中ひかる)
●和歌山カレー事件「死刑囚の子どもたち」が生きた20年(田中ひかる)