さて突然ですが、ここでクイズです。
ご夫婦で一緒に考えてもらえると嬉しいです。
次の漫画を読んで、間違ってると思うことを指摘し、その理由を説明しなさい。
気づかなかったんだよぉぉぉぉ #育児 #マンガ pic.twitter.com/5wdc9ATXcR
— まるま (@maruma05) 2014, 11月 29
(補足説明)
⑴この2人は夫婦で、5ヶ月になる息子がいます
⑵女性は息子におっぱいを与えています(授乳期間中です)
⑶妊娠した頃からの夫婦の様子を描いた漫画はtogetterにまとめてあります。
伝わりやすいようクイズと書きましたが、推理の方が近いような気もします。
余談ですが、まるまさん家は夫婦でジョジョファンらしいですわよ!
第3部の続き、始まりましたね!うきうき!ドキドキ!
第5部アニメ化希望 #赤ちゃん #マンガ pic.twitter.com/wC8wwfTh63
— まるま (@maruma05) 2014, 11月 28
回答編
漫画を見て考えていただけたでしょうか?回答編です。
食べ物についての、2つの疑問
妻が食べようとしているのは、ラムレーズンアイス。
ラム酒(アルコール)に漬けたレーズンと、乳脂肪たっぷりのアイスクリームという、おっぱいには最悪の組み合わせなのでは?
そう思った貴方は、よく勉強してる人です。
1)授乳中にアルコールって摂取して良いのかな?
2)授乳中にアイスって食べても良いのかな?
この2つの疑問について解説しますね。
授乳中に摂取できるアルコールの量
授乳中であっても、ビールなら350ml缶1本、ワインならグラスに1杯程度を飲んでも支障はないとされます(体重50㎏の女性、体重1kgあたり1日0.5gまで)。
ビールや発泡酒のアルコール度数は5~6%程度、ワインは9~13%程度です。
ラムレーズンアイスに含まれるアルコール度数は1.6%(ハーゲンダッツHP)。ビールの3分の1以下です。
常識的に考えて、カップ1個程度であれば影響ないでしょう。
もし、授乳中にビールやワインなどのアルコールを飲みたい場合は適量(ビールなら350ml缶1本、ワインならグラスに1杯程度)を授乳が終わった直後に飲み、次の授乳まで2〜3時間空ければ大丈夫です。
授乳中にアイスを食べても問題ありません
同様に、生クリームたっぷりのケーキなども問題ありません。
私もアイス、ケーキ、チョコレート。なんでも食べてます。
乳脂肪をとると乳腺炎になるのでは?と心配する方もいるでしょうが、最新の研究では、食事と乳腺炎に因果関係はないとされています。分子の大きさを考えると詰まることはありません。
乳腺炎は、授乳姿勢が原因となることが多いようです。色々な角度で吸わせることが大事です。
※根拠となるブログ記事は最後にまとめてあります。
でも、助産師さんがダメって言ってましたよ?
良い質問ですね! ※池上彰さん風に。
私の発信している母乳育児に関する情報は、最新の研究に基づいています。
※正確には、私が情報元としているお医者様が最新情報を発信下さっているのです(^ω^;)
助産師さんが間違えているのではありません。ただ、情報が古いのです。
残念ながら、産科で配布されているリーフレットや書店に並ぶ育児書も、最新の研究成果をもとにした情報に書き換わっていません。
情報を先取りできた私、そして皆さんは、母乳育児における禁止事項が減ってオトク!ということです。
根拠が示せる真っ当な情報なので、ラムレーズンアイスもケーキも、恐れることなく食べてください。
授乳中も我慢せずに、食べても良いんだよ
さて。ここまでくると、夫の一言で食べることを諦めた妻の知識も曖昧なものだとわかりますね。
夫の目から見ると、妻は”母乳育児に知識も自信もある”ように見えるかもしれませんが、そんなことはありません。1人の新米おかあさんです。
子どもの為、夫の為、自分の為に毎日、小さな我慢を積み重ねています。
その我慢は「必要な我慢」なのか?
出来れば、おとうさんの目で見て、場合によってはネットや本で最新の情報を調べて頂けると、のびのびと育児することに繋がると思います。
乳脂肪製品とアルコールを摂取するという二重のひっかけにかからなかった人は、母乳育児についての知識が高い人。拍手と賛辞を送ります。
授乳中に食べた方が良い食品
授乳中に食べちゃいけない話を耳にする機会が多いですが、食べた方が良いものもあります。
日本では、日照時間が短くなる冬場、ビタミンDが不足する傾向があります。意識してサケ食べましょう。鮭。
※参考:妊娠・授乳とビタミンD 栄養士・どらねこさん
ひとつだけ注意!
(食事は関係なく、)授乳後数時間経った後に赤ちゃんの皮膚に発疹が出た場合は、その子が卵や牛乳アレルギーである可能性があります。
たとえば、育児漫画では、カラスヤサトシさんの『オレなんかが親になって大丈夫か?』の中で娘・りーちゃんが生後6か月の頃、発疹が出たエピソードが語られます。母親は自分の食べた物(母乳の成分)が原因と疑い3つの病院で診察を受けるも、医師によって診断が異なり、最終的には「細菌による発疹」と結論づけられます。2013年頃の体験談です。
3歳時点のエピソードとして、りーちゃんは卵・小麦・牛乳等のアレルギーであることが語られます。リーちゃんの場合は母乳に関するアレルギーである可能性が高いように、思えてきます。
でも、母乳に食事の成分が溶けだすことがないことが、既にわかっています。
詳細:母乳育児推進の問題点――粉ミルクは本当に悪いのか!?(森戸やすみ/小児科専門医)
こういったアレルギーは、「おっぱいが赤ちゃんの皮膚に触れたから」発生しているといった、他の可能性が考えられています。
小児科医の森戸やすみ先生は著書『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』の中でこう述べています。
しかし、母乳をあげているお母さんが安易に食事制限をするのはよくありません。妊娠中や授乳中の食事制限は、少なくとも18か月までの子どものアレルギー疾患の発症予防に有効だという証拠はなく、むしろ栄養バランスが偏ることによって、子どもの発達に悪影響を与える危険性が指摘されているからです。
アレルギーの専門医によると、お母さんが摂取した食物のごく一部は消化しきれずに母乳から分泌されることはあるものの、それが子どもの腸管から吸収されて食物アレルギーの原因となるという証拠はないそう。(中略)実はアレルギー物質は、腸から吸収する場合より、肌にふれた場合のほうが危険だと言われていて、授乳中のお母さんも赤ちゃんも食べていなくても、触っただけでアレルギー反応が出ることがあるようです。(中略)自己判断するのではなく、アレルギーを専門とする小児科医に相談するのがいいでしょう。
「アイスを食べていい」と書いておいて不安にさせるようですが、稀にこういうケースもありますのでご留意ください。
まとめ
現在、育児に関する情報は、玉石混合です。
2014年に森戸やすみ先生が発信した「母乳神話とデマ」という記事が話題になりました。
真っ当な助産師さんの方が多いですが、不安を助長してハーブティなどを売りたいアフィリエイト業者や、間違った情報を元に患者を怒鳴りつけるトンデモ助産師もいます(・ω・)残念ながら、これが実状です。
正しい知識で、楽しい育児を。
お勧めの本
小児科医・森戸やすみ先生の本は、授乳についての情報だけでなく小児医療についてもカバーしてあって、おススメです。1冊あると心強いですよ。
最新の母乳育児に関する情報を得るなら
情報収集をするなら、Twitterを始めるのが1番だと思います。お勧めアカウントをまとめた記事はこちらです。
●【医療】妊娠中、産後の情報収集にはTwitterがお勧めだと思う~お勧め医師アカウントのご案内
参考URL
●その母乳情報、大丈夫ですか? ママサイトにはご用心(小児科・森戸やすみ医師)
●授乳中のママがビールを飲むタイミングとは?-産科医に聞く、ビール女子の妊活事情Vol.3(産科・竹内正人医師)
●妊娠・授乳中のお酒とタバコはなぜいけないの?(産科医・医学博士 千代倉由子医師)