子育て中なら「あるある」と共感できる体験を通じた小さな笑いが散りばめられており、明るい気持ちにさせてもらえる1冊です。
妻・伊藤理佐さんが描く『おかあさんの扉』と一緒に読むとより楽しめます。
吉田戦車さんといえば、中学の頃に『感染るんです』が流行ったなあ…。
amazon ★★★★(4.2)
楽天 ★★★★★ (4.62)
※2013年4月24日の点数です
【内容紹介】
実録!漫画家夫婦のリアル子育て奮闘漫画!
漫画家・吉田戦車&伊藤理佐、結婚して2年。待望の赤ちゃんが生まれた!!
出産に立ち会う、立ち会わない。妊娠中の妻の前で酒を飲む、飲まない。子育て論で大ゲンカ。子供の夜泣きに大苦戦……などを“イクメン”目線で描く子育て奮闘漫画!!読めば必ず育児が楽しくなるマストな1冊です!!
【感想】
娘さんが生まれてから1才くらいまでを、父親視点で描いた漫画です。
結婚2年目で妊娠。
娘さんが生まれたとき、吉田さんは47歳、奥様の伊藤理佐さんは40歳。
管理人おすすめの育児漫画として紹介している『まんが親』。私が育児漫画にはまるキッカケを与えてくれた作品でもあります。
笑えて元気になる。スカッとする。おもしろいです。
『まんが親』の面白さは一言では語れないのですが、父親目線で育児をフラットに捉えて表現しているところが好きです。
フラットに捉えている…というのは、吉田戦車(=作者)を、無理に良いお父さんとして、妻(=伊藤理佐)を良き母として描こうとしていない部分。
かといって、ダメな部分が強調されているわけでもなく、読み手が不快になってもギリギリ許せる塩梅で描いているのがスゴい。
育児あるあるネタで笑いつつ、冷静に引いた目線で読み直すと、色々考えさせられます。説教臭くはないのですが、身につまされるというか…。
もう一つ、大きな要素として『おかあさんの扉』(伊藤理佐)と読み比べる楽しさがあります。
1巻だと、第8話「垢と涙」に描かれている、娘のオムツが新生児用からSサイズになった時、吉田戦車はいやだ!と叫んだ…という話。
『おかあさんの扉』では1コマ漫画で語られます。書かれている内容がほぼ同じ…。
私も「新生児」って長く呼ぶものかと勘違いしていて、1カ月でお別れするのはさみしかったなあ…(子供が生まれたんです、て雰囲気が好きだった…)
ただ、娘が小さかったので、6か月くらいまで新生児用のオムツを使ってましたが…
伊藤理佐さんの紫外線対策について。
同じことを描いていますが、娘の反応は真逆です。
吉田さんが描いているこの格好で登山した話は「おんなの窓」(伊藤理佐)に描かれています。それにしてもすごい恰好だ…。
吉田さんが岩手から電話し、娘さんが電話口で叫んだ「マんぼっ!」。
伊藤さんが娘に仕込んだ芸として紹介されています。
「おかあさんの扉」では、元ネタがおかあさんといっしょの「たこやきなんぼマンボ」であることが明かされます。
こういう、2人の間で被っているネタを探して読むのが楽しいです。
吉田戦車さんは、前妻との間に1人目の娘さんがいるそうですが、その娘さんの様子を描いていません。
でも、伊藤さんが「おんなの窓」で吉田さんの娘さんについて描いていたりします。
伊藤さんが放射能を気にしていることについて、吉田さんは「まんが親」に描く(世論を代弁させる為か、ちょっと強調しているような?)。
伊藤さんは「おんなの窓」には描く(慌てて高価なガイガーカウンターを注文しちゃったけど、届く頃には冷静になって代引金額に震えるとか…笑った…)けど、「おかあさんの扉」には描かない、というように、作風や雑誌のカラーに合わせて対応を変えているのもおもしろいです。
【関連記事】
●まんが親 2巻感想
●おかあさんの扉 1巻感想
●おかあさんの扉 2巻感想
●おかあさんの扉 3巻感想