全体にほっこりあたたかい雰囲気で楽しく読みました。
「節約一家」とついているので出産にまつわるお金の話が中心かと思いましたが、お金や節約について描かれているのは少しだけでした。
妊娠・出産に関わるお金を節約したい!という場合は目的を果たせない気がします。
(後で調べたら「節約一家森川さんち」シリーズの1冊のようです。)
amazon ★★★★★(5.0)※レビュー1件
楽天 ★★★★★(4.5)※レビュー2件
【内容紹介】
あの「年収150万円一家」の森川弘子、初の育児エッセイ!
お金はないけれど自由を謳歌していた夫婦2人に赤ちゃんができた、ここから森川一家の節約ライフが本格スタート!
子どもがいるとお金がかかる…ならば工夫して毎日を暮らせばいいんだ!
森川流アイデア術&くすくす楽しい妊娠・出産・子育て生活たっぷり。
【感想】
「年収150万円一家」シリーズの森川さん。
1970年生まれで、34歳で妊娠し、娘・コハルちゃんを出産。
この本が発売されたのは2013年ですが、娘・コハルちゃんは1冊目に2歳児として登場しています。現在は6歳とのこと。
生まれた当時を思い出しながら描かれた作品です。
妊娠すると先々のお金が心配になります。
森川さんは「自分の食い扶持を背負ってくるっていうし…」と前向きに進みます。
悩むより工夫したり節約したりして乗り切ろう!という森川さんの考え方や大らかさは好きです。
節約については、フリーマーケットやバザーなどで出産準備品(布おむつやベビーカーなど)を安く手に入れる方法が描かれています。
個人的に目から鱗だったのは、フリーマーケットで紙オムツがドラッグストアより高く売られていることがあること。
そ…そうなんだ…!(フリマに行くことが少ないから、紙オムツをフリマで売ってるというのがびっくりでしたが)
この作品の特徴は、作者が、信頼のおける助産師さんに色々相談しながら、出産・育児をする姿を描いているところでしょうか。
助産院での出産については(漫画に限らず)「自然に産めるって素敵」「人間も自然の一部なのね」と、神秘的にイメージ良く描かれることが多いのが気になります。
私は最近、助産院のイメージはちょっと美化されすぎではないか?と思っています。
助産院で産むことのリスクや危険性について言及される機会が少ないし、助産師さんの一部が根拠もなく母親を責める発言をするのが気になります。
総合病院の分娩台の上で産んでも帝王切開でも、促進剤をつかっても吸引器をつかっても、赤ちゃんが無事産まれてくれることが1番だと思います。
私は個人病院で出産しました。
「出来るだけ自然な形で」という病院の方針に従い、色々な体勢を試してみましたが「いきみ方」がわからなくて難儀し、促進剤を使って分娩台で出産しました。
分娩台は「いきみ方」がわかりやすくて、その後のお産はスムーズでした。
体験しないとわからないことってありますね…。
※助産院での出産や自宅での出産の危険性については、こちらのブログが丁寧に解説されています。
→助産院は安全?
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作中に描かれていますが、森川さんは「贅沢なお産 (新潮文庫)」「分娩台よ、さようなら―あたりまえに産んで、あたりまえに育てたい」の影響もあり助産院を探し、相談。
しかし、検査でGBS(B型溶連菌)が出たため、病院での出産を余儀なくされます。
「この助産院で産んでみたかった…」と沈む森川さんに「先生も腕いいし、いい病院だよ」と病院での分娩を薦めつつ、助産師さんは「GBSに感染したら98%の赤ちゃんが死んでしまう、だから病院での処置が必須」と、「自分のことばかり考えてたけど(赤ちゃんの)命の危険が」と気付かせます。
結局、出産前まで助産院で検診し、助産師さん立ち合いのもと病院で出産、産後はすぐ自宅に戻って助産師さんからケアを受ける、万が一赤ちゃんがGBSに感染していたら病院で即処置…ということで落ち着き、出産に向けて動き出します。
出産の様子は省きますが、産後、コハルちゃんの離乳食のことまで同じ助産師さんに相談していました。
離乳食は6か月頃から開始しますが、産後~離乳食開始までも助産師さんに相談できている、というのはうらやましく感じました。
病院で産んでも助産師さんとの関係は密になりますが、シフト制ですし複数いらっしゃるので、特定の1人と接する訳ではありません。
その結果、助産師さんによって言うことが違って戸惑うこともあります。
また、新生児健診以降は小児科に通うのですが、離乳食のことは相談しづらいような…(患者も多いし忙しそうだし男性も多いし)
自分が信頼のおける助産師さんが、妊娠前から出産後までサポートしてくれる体制は初めて妊娠した人には良さそうだと感じました。
親族や親せきが近くにいない人なら、尚更。
森川さんも近くにいるのは夫くらいで、妊娠中から出産、産育児まで色々相談してアドバイスしてもらって、精神的に支えてもらって。本当にありがたかったのでしょう。
この助産師さんへの感謝の気持ち、愛情が作品からこぼれんばかり感じられました。
無事に産まれたコハルちゃん。
森川さんが描くコハルちゃんはなんともかわいいのですが、コハルちゃんの面倒をみる旦那さんもかわいいです(笑)。
コハルちゃん10か月の冬にフランス旅行に行った話も収録されています。
パンにかぶりつくコハルちゃんがかわいかった。
体重管理をする為に体重計を買って毎日測った!…と書いてありました。
私も、毎日測ってました(今も測ってます)。楽ちんだけど管理しやすいのでおススメです。