こげぱんをデザインしたイラストレーター、たかはしみきさんの妊娠・出産漫画です。
『つれづれふたり暮らし』『結婚式っておもしろい?』…などのエッセイに描かれた2人の妊娠から出産までの道のり。
お役立ち情報も多く、充実した内容の1冊でした。
amazon ★★★★(3.6)
楽天 ★★★★★(4.88)
※2013年4月19日のスコアです
【内容紹介】
ニンプ。それは十月十日おなかのいいなり!?
待望のベビー「ぬしさま」とのおっかなびっくりマタニティライフ。
ほんわかホロリ、妊娠・出産エッセイ。妊娠・出産・育児に役立つかも!?なグッズやファッション情報も掲載。
【感想】
たかはしみきさんは1974年4月生まれ。
2010年、35歳で息子さんを出産。
出産時期は秋だったそうなので、秋に出産予定の方には特におすすめかもしれません。
この本の発売が自分が出産した後だったこともあり、買い控えていましたが、本日、本屋で見つけて購入しました。
内容が盛りだくさんで、おもしろかった…!
現時点では、産前に読んで一番役に立ちそうな1冊です。
不妊治療というか妊活?~妊娠~出産~産後1カ月くらい(+おまけで1歳半くらいまでの1コマ漫画)が描かれており、各章短いながらも内容は濃く、わかりやすく、面白いです。
個人的には、「不妊治療についてのはみ出しコラム」が、勉強になりました。
不妊治療がメインテーマではないので番外編的な扱いですが、8ページと短いながらも不妊治療に関する情報がわかりやすくまとめてあり、色々納得できました。
普段は意識しませんけれど、産婦人科とレディースクリニックと不妊専用の病院って違いますよね…でもなんとなーく、調べる=妊娠できないと認めるようで、なんとなく怖いですよね…。
結婚後、なかなか子供ができなくて鬱鬱していた自分にプレゼントしたい…
2人目を目指すときには、排卵チェックに通おうと思います。
「マタニティ服はこんなのが…」というコラムページも気に入りました。
マタニティ服については、作中でたかはしさんも書いていましたが、色々情報がありすぎて逆に選べないので、妊娠の時期ごとに用意した服と点数がまとめてあるのは便利に感じました。
マタニティ下着は買うのが躊躇われる形状ですが、穿くとものすごく楽なんですよね…。
私も妊娠後期~授乳期間中はユニクロのブラトップを愛用していました。
入院準備グッズや、赤ちゃんをお迎えするのに準備したことや道具についても、よくまとまっていて参考になりました。
ベビーバスを置くスタンド…便利そうですね(実際には、たかはしさんはキッチンの流しを使ったりもされたようですが、リアル…笑)
これも次回の参考にしたいです。
妊娠・出産・育児漫画を読んだ~…ということも描いてありました。
「私たちは繁殖している」「トリペと」「育児なし日記」「祝・ご出産」(などアンソロジー)「ニンプの玉手箱」「お父チャンネル」「榎本俊二のカリスマ育児」等。
そして、妊娠した?やっぱりしてなかったか…という、ウキウキから一転したイライラ、そして焦り。
旦那さんとの温度差、マタニティブルーの辛さ?ネガティブな側面を持つ自分への不可解さ、等々がさらっと明るく、だけどリアルに描いてあって。
34pページのコラムに書いてあった作者の言葉、私の胸に突き刺さりました。
引用しますと、
『妊娠のメカニズムを知れば知るほど、妊娠するってすごいことなんだ、と痛感しましたね。もう「運」なんだと。(中略)努力すれば必ず成果がでる!という分野ではないから、そうやって人生を歩んできた自分にとって非常にやきもきし、途方にくれていた期間でした』
そうなんですよね…本当に。
妊娠しているときに読んでも、出産後に読み返しても、心に響くものがあると思います。
私は読んでいるときになんだか泣けてきて…。
今まで読んだ色々な妊娠マンガの中で、たかはしさんが歩んできた道が、自分と一番近く、共感を覚えました。
妊娠したいかも…と思っている20代後半~30代の女性、妊娠したばかりで不安な方にお勧めしたい1冊です。
34歳で妊婦となった女性の細かい心の動きが描かれているので、女性だけでなく「近い将来、父親になる男性」にも読んでほしいなあ。
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この本でリアルだなー、と思ったのは様々な情報に振り回されつつも、うまく使っているたかはしさんの姿です。
血液検査の結果、甲状腺ホルモンの数値が高いと言われ、いてもたってもいられずネットで検索…。
多くのサイトで妊娠週数が進む前にホルモン補充を行った方がよいと書かれているのを見つけます。
不安でいっぱいの中、再検査の結果を待たずに治療した方がいい!…と専門の病院へ行き、ホルモン補充を開始します。
たかはしさんは「この時ほどネットの便利さに感謝したことはなかったけど、知らなくていい情報まで入ってきちゃうので、不安なことがある人はほどほどに…と思いました」(P19)と書いています。
妊娠・出産・育児が初めてなので色々と情報を集めましたが、情報が多すぎて溺れそうになるんですよね…。
有用な情報もありますが、個人差が大きいので、情報を得ることで逆に不安に感じてしまうことも多いんですよね。
育児は文化的な要素が多いので、世代によっても国や地域によっても、ノウハウが全然違いますし、妊娠している状態だと(ホルモンのバランス的に)頭が働かないので、通常、情報の処理能力が高い人でも、判断できなくなることも多いです。
情報との付き合い方については、妊娠中、出産前、出産後など何度も繰り返し描かれており、自分もたかはしさんと同じ気持ちだったなあ…、情報は道具としてちょうど良い距離感を保ちたいものだな…と思いました。