出産時の年齢が30~39歳

『花津ハナヨの妊活→出産 一直線!』(花津ハナヨ)感想~妊活から出産まで、情報満載の一冊~

投稿日:2014年2月3日 更新日:

2014年1月31日発売の妊娠・出産漫画です。
作者の妊活(不妊ドッグ→タイミング法(1回)→体外受精)、妊娠、出産(無痛分娩)といった体験が描かれています。

情報盛り沢山だけど読みやすくまとめてあり、充実した一冊でした。

書籍扱いなので「妊娠・出産・育児」の専門書コーナーに置いてあることが多いかも知れません。
(私が行った2つの書店では専門書コーナーに置いてあり、コミックス売場に置いてありませんでした。)

【内容紹介】

アラフォー漫画家・花津ハナヨが挑んだ! 不妊治療、高齢出産、無痛分娩。
『情熱のアレ』『CAとお呼びっ! 』などで知られる漫画家・花津ハナヨが、子宮がん検診や、テレビで放送されて「卵子の老化」が話題になったのをきっかけに、アラフォーにして子作りに開眼!
子供が欲しい人も、まだまだ未定な人も、今妊娠中の人も、読んでためになるリアルなマタニティライフ/コミックエッセイ!

【感想】

作者のプロフィール

花津ハナヨさんは37歳の時、当時同棲していた旦那さん(現在は入籍)と妊活を開始。
体外授精にチャレンジし、妊娠。2013年(38歳)で女の子を出産。

ベネッセ・たまごクラブで『アラフォー漫画家・花津ハナヨのへたれニンプライフ』連載中。

この漫画の特徴

全124ページで、妊活が30ページ、妊娠~出産が50ページ、妊娠・出産・育児に役立ちそうな情報などが35ページくらい描かれています。
漫画以外に文章「はみだしコラム」を5本掲載。

不妊ドッグでの検査や卵子の老化、自分の子宮の状態のこと、旦那さんの精子検査など、色々なことが細切れで描かれているのにイメージしやすかったです。
また、タイミング法を飛ばして(1回で辞めて)体外受精にチャレンジしているので、自分の年齢と妊娠までの期間を計算して悩んでいる方には、参考になる経験談だと思います。

特に、
・今まで仕事に邁進してきた女性
・35歳以上
・妊活を考えている/妊活中で成功体験が読みたい

…人にはおススメしたい1冊。

逆におススメしないのは、
・妊娠・出産のトラブルや悩み、不安な気持ちが読みたい(作者に感情移入して読みたい)
・妊活中だけど苦労した、大変だった、ていう話が読みたい

…と思っている人。

妊活から出産後まで描きたいエピソードが多く、「読者の役に立つ情報」を優先し、作者の内面描写は最小限にした、という印象です。
作者はタイミング法を飛ばして体外受精にチャレンジしたことで、短期間で妊娠へのステップを踏んでいます。
読んでも悲観的になることなく希望が持てるので、「不妊検査を受けてみるか…」と思える作品です。

例えば以前読んだ、あらいきよこさん作の『妊カツ!』。
こちらは15年間の不妊治療の経験、なかなか妊娠できなくて試行錯誤する作者の姿が描かれていました。
これはこれで良い作品だと思いましたが、深刻に捉えすぎてしまう・気分が暗くなるという側面もあります。

読者の誤解を生まないよう、題名に「不妊治療」ではなく「妊活」という言葉を選んだのかと思います。

好きなところ

本題からずれちゃいますが、この漫画の一番好きなところ。
それは、猫と赤子の描写(全8P)です。
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飼っている猫がかわいかった~!
猫と赤子の絡み中心で育児漫画描いてほしいくらい。もっと読みたい。

表紙裏の猫と赤子のイラスト、本文中の家族3人のイラストから感じるほんわかした雰囲気も好き。
私は犬も猫も好きですが現在ペットを飼っていないので、余計にうらやましくなるのかも知れません。

妊活(不妊ドッグ→タイミング法→体外受精)約30ページ

本のテーマに沿う形で好きなところを書いていきます。

不妊検査の話や産婦人科選びの失敗談など「わからないこと」「失敗したこと」の描き方が上手いので、読みながら色々学べます。
不妊治療に関する補助金は世帯年収730万円以内が対象とか、「籍を入れた夫婦」にしか適応されなかったとか。知らなかったわ。
※2013年12月に民法が改正され、2014年度から事実婚も助成の対象に含まれるはずです。

不妊治療に関しては、過去に不妊治療外来に関する本に関わった経験があるからか、早足ながらも知りたいポイントは押さえてありました。
年齢も年齢だし、とりあえず婦人科にいってチェックしようかな…?という人には決意を促すが過度に不安をあおらない。丁度いい情報量だと思います。

妊娠~出産(無痛分娩)約50ページ

不妊ドッグから出産まで、トータルで5つの病院に通った花津さん。
失敗談には笑いましたが、東京で出産病院を間違えて予約した話は、笑えるけど笑えない…(大変だったでしょうね)。

家から1番近い婦人科に行ったら、妊婦健診の支払いが2万円を超えるという話にびっくり。
市区町村の補助券を使っているのに。都内だとそんな病院もあるのか…。

私が通う病院(家から10分くらい)は自己負担500円でしたから…。

「妊婦健診の自己負担額は病院によって違う」とは知っていましたが、差があるといっても1~2000円程度だと思っていました。
万の単位で請求されるなんて…。8か月目まで月1回通ったら20万円近くかかっちゃうじゃないか。

特に首都圏在住の方は「ウィメンズパーク」で調べたり相談してから決めた方がいいと思いました。
※「ウィメンズパーク」は会員登録必要ですが、産科・小児科・保育園・幼稚園の情報が多くて参考になります。たまにベネッセから郵送のダイレクトメールが来ますが…。

出産部分は無痛分娩だったせいか、割とあっさり終了。
ページは少ないですが、麻酔から出産への流れや雰囲気はよくわかるので無痛分娩を考えている人にはいいのではないかと思います。

どうでもいいんですが、麻酔ってそんなに簡単に切れるんですね…。
そして切られても請求はされるのか。それも嫌だな…。
(医師から「陣痛が分かりにくいなら麻酔切りますか?」と尋ねられ、全力で断る花津さんが描写されているので。)
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妊娠・出産・育児に役立つ情報 約35ページ

育児についての描写はほとんどありませんが、妊娠~育児の便利グッズ、ママ友作り、妊娠中・出産後の仕事のこと、名づけのことなど、「母親として考えること・悩むこと」については押さえてあります。
東京だと本当に保育園に入れないんだね…。

作者は人見知りのはずなのですが(そういう本も出しているし)、言い訳にしないで思い切って輪の中に入って、色々な人に相談することが大事なのかもしれないな、と思いました。

あと、旦那さんがはっきり意見を言うタイプとして描かれていて、新鮮に感じました。
妊活から育児について、夫婦で話し合いつつ進めていく感じが好きでした。
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より楽しむために

『妊活→出産 一直線!』は情報満載で勉強になる反面、作者自身の葛藤や悩み、妊娠中のトラブルもさらっとしか描かれてません。

『かくれ人見知り~』の特別編を読むと、例えばママ友づくりの話も、本人の中では紆余曲折あったことが分かります。
ほぼ同じテーマなのに、浅く描くか深く描くかで読んだ時の印象が違うものですね。

ただいま『かくれ人見知り』が平静を装って生活しております。
hanatsu

また、作者のブログを覗くと、漫画に登場した友達の漫画家さんが腹に描いたイラスト、お祝い返しに作った月餅、飼い猫、娘さんの写真を見ることができます。
切迫流産気味だったというエピソードも、作中ではさらっとしていてますが、ブログを読むと深刻さや不安が伝わってきます。
※妊娠中の記事は2013年1月~7月に書かれています。
※漫画家さんの腹イラスト?は2013年6月更新分

872874.net
mangaka

気になったところ

我ながら重箱の隅をつついているな!という気もしますが、気になった点は、読むのに不都合が起きない部分です。
自分的にはこれをきっかけに勉強になったので書いちゃいます。

目次と用語に間違いがありました。

この感想を書くために、目次にある「はみだしコラム」の数を数えていたら「コラム4」が無くて。
「ああ、出産本だし縁起担いだのかな?珍しいけど粋な感じ!」…と思っていましたら、本文中には「コラム4」がありまして。
単純なミスでしょう。
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用語については、「出産一時金」ではないものを「出産一時金」と混同して描いています。
出産関連でもらえるお金は名前が似ていて混乱しやすいので、詳細を書きます。

漫画家・ひうらさとるさんとの会話で「うちの区は出産一時金が80万円だった」と話します。

これに対し花津さんが「うちの区は42万円ですよ~」と答えます。
花津さんが正しくて、1人産んだ場合の出産一時金は42万円です(2014年1月現在)。
出産一時金は国(厚生労働省)定めている制度です。加入している健康保険組合(もしくは国民健康保険)が異なっても、一律42万円の支給となります。

市区町村により異なるのは出産・育児に関する支援制度です。市区町村単位で予算を組んで定めています。

一例として、東京都港区では出産にかかった費用を上限60万円まで助成しています(出産一時金を差し引いた金額から更に60万円。極論ですが病院費用102万円までは自己負担なし)。
病院での費用を助成しているのは都内でも港区だけ。全国区でも稀なケースです(私には見つけられませんでした)。
(参考)●東京23区の子育て支援制度比較

出産費用の助成ではなく、子供の誕生に際してお祝い金をくれる市区町村はあります(特に第2子以降が多い)。
支援内容は市区町村により違うので、妊娠中にHPを見る、役場で確認するなどして活用すると良いかと思います。
私は出産届を出した時に「育児支援ガイドブック」をもらいました。

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気になるところはそれくらい。
情報満載なのに読みやすく、色々と勉強になりました。

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