発売からだいぶ間が空いちゃいましたが、感想です。
ごはん作りはほぼ毎日ですが、晩ごはんを作るのが面倒くさくなってきました。
料理は好きだったはずなのに、何か心が弾まない。献立もなかなか思い浮かばない。
悩みとも言えないくらいささやかな思いを、具体的に分解してすっきりさせ、解決の糸口を示してくれる1冊です。
全208ページとボリュームがあります。1404円(税込)です。
●出版社サイトの作品紹介ページ
amazonレビュー ★★★★★(5.0)※レビュー5件
【内容紹介】
「晩ごはん」とは、ただ単に「夕方の食事」ではありません。
自分のために、そして家族のために作るごはんのこと。
もともと料理は好きだったのに、ある日、ぽろっと「晩ごはんのこと考えるの、疲れた…」と口走ってしまった著者・フクチマミ。
主婦だったら、晩ごはんなんてチャチャッと作れて当たり前…?
なのに、なぜ晩ごはんの献立は、なかなか決まらないのでしょう?
料理が苦手だったり、おいしく作れないから?
だったら料理の専門家に聞いてみよう!
料理の監修はNHK『あさイチ』『きょうの料理』でもたくさんの悩みを解決してきた料理研究家・上田淳子先生。
時短ではなく「手間短」で、理にかなったおいしく作るコツを伝授してもらいました。
本に登場する基本的な家庭料理メニューでは、プロによる目ウロコなコツが山盛り紹介されています。
…でも、それだけではやっぱり、しんどい・つらい気持ちは解決できず。
それはなぜ?
たくさんの主婦&主夫を取材することで見えてきた「晩ごはん症候群」の処方箋とは?
【感想と解説】
作者のプロフィール
作者のフクチマミさんは1980年神奈川県生まれのイラストレーター。
21歳年上の旦那様と結婚し、2008年に長女・なつのちゃん、2011年に次女・ののかちゃん出産。
TwitterやInstagramで育児漫画「だいたい日記」を発表しています。
●フクチマミのイラストレーション(Web Site)
●Twitter:@fukuchi_mami
●Instagram:@fukuchimami
『晩ごはん症候群』のfacebookページもあります。
●晩ごはん症候群(シンドローム)
漫画の構成
個人的な分類だと4つに分かれていると思います。
1)プロローグ(問題提議)
2)料理のテクニックがわかれば解決する!?
3)晩ごはんづくりを苦痛にしていた本当の理由
4)エピローグ(まとめ)
目次はこんな感じです。
プロローグ
「もう晩ごはんのこと考えるの 疲れた」という、作者の一言から始まります。
冒頭の3ページはコマも少なくセリフもシンプルなのですが、「そうそう!そうなの!」と思いながら読みました。
悩みに気づいた作者は、ごはん妖精・セキガワ(私は登場のコマで爆笑してしまいました…)と共に、悩みを解決するべく動き始めます。
プロローグは「晩ごはん作るの大変だよね」という問題を読者に提示し納得させる・気付かせるパートですが、見ごたえあるのが「晩ごはんの因数分解」。
晩ごはんにかかる作業を、4ページに渡って分解していきます。モデルケースは4歳と1歳、2人の子を持つ4人家族。
描かれると全くその通りなんですが、自分が気付いていなかった「晩ごはん作りに関わる要素」の多いこと多いこと…。
単純に言えば「準備→つくる→あと片付け」です。そこに子どもの世話が加わり、栄養管理、家計管理も加わってくる…。
「晩ごはん作り、そりゃ大変だ!大変と感じていいんだ!」と気付かされました。
料理のテクニックがわかれば解決する!?
料理家・上田淳子先生による料理講座です。ポークソテーなど、7つのメニューのポイントを解説します。
描かれたポイントはシンプルですが、知らないことが多かったです。
レシピもついているのですが、QRコードでサイトと連動しているのは面白い取り組みですね。
紙の本だとレシピが見づらいのですが、これならスマホでメニューを確認しながら作れます。
●晩ごはん症候群のページ(暮らしニスタ)
特に7つめのメニュー「あんとソース」では、作り方よりも献立の立て方や考え方がお役立ちでした。
ほんと、がんばりすぎだよね…。
普通の本なら「テクニックがわかったし、これで解決!」てなるところですが、この本はもっと奥まで突っ込みます。
晩ごはんづくりを苦痛にしていた本当の理由
晩ごはんづくりが辛い理由。いろいろな人が「自分はこう思う」を語ります。
時間がないから、子どもが食べないから、夫があれこれ言うから、思い込みがあるから…。
4つのテーマの中でも、内容は人それぞれ。自分と似た意見の人が見つかると、辛い理由も見えてくると思います。
「晩ごはんを作るのが辛い。」たったそれだけのことです。悩みなのかを考えてしまうくらい小さな苦痛。
その悩みの原因を丁寧に解きほぐすこの章は素晴らしかった。
エピローグ(まとめ)
想像しなかった長い旅を終え、作品の中で得たポイントをまとめていきます。
最後の3ページがまた、良くてですね…。絵の迫力と相まってぐっとくると言いますか。
私は泣きました…(今回感想書きながらまた泣いているっていう…)。
読んだあと、気持ちが楽になりました。
気持ちが楽になるだけで、ごはんを作るのが苦痛でなくなるものですね。それにもびっくり。
まとめ
現在、パートで働きつつ家事は9割が私が担い、5歳、2歳の子どもたちの育児もしながらの生活を送っています。
離乳食も終わり、ごはん作りは楽になるかと思っていました。
しかし今年に入り、仕事を始めて時間がなくなったことも影響してか?晩ごはん作る、の面倒くさい…。献立を考えつつ買い物するの、大変…。家族のごはんを作るだけで余暇が終わっている気がする…。
そんな悩みなのか、悩みでないのかわからないことを抱えていました。
読んで「あ、晩ごはん作りが辛いの、私だけじゃないんだ」「晩ごはん作るのって、こんなに行程があったのか…!」「あああ周囲の影響や自分の理想が高いこともあるのか…!」と目からウロコがボロボロでございました。
特にお子さんを持つ方に読んでほしいな、と思います。おすすめです。
【おまけ】WEB連載版も面白いので試し読み代わりに
この漫画の元なのかな?という漫画が、WEB掲載されています。
内容的には本と同じですが、テイストが違っていて面白いので、興味のある方は試し読み代わりに読むと良いかも。「料理のテクニック」部分です。
【晩ご飯のお悩み解決①】 パサつきがちポークソテーをジューシーに焼く方法
子どもがいるとひき肉と薄切り肉に行きやすいのですが、厚めの肉でも料理次第では好評なのですね…!筋切りは間違ってたので真似しよう…。
【晩ご飯のお悩み解決②】 「野菜サラダ」を子どもが食べないのは理由がある!
子どもがサラダ(レタスやキャベツ)を食べないのは「歯のすりつぶす機能が未発達だから」説を信じていましたが、味がついていないのも原因なのかも…。かも…。
【晩ご飯のお悩み解決③】 手間さえかければおいしくなる、はウソ! 「炊き込みごはん」
この「炊き込みごはん」の話は、はてなブックマークで人気だったので読みました。
あれ?フクチさんだわ、続き楽しみね~と思ったら3話以降更新がなかったという思い出…(笑)。
●炊き込みご飯の概念が変わった作り方(トウフ系)
『マンガで読む 育児のお悩み解決BOOK』
ごはん妖精・セキガワに大笑いした私ですが、今回の本は、主婦の友社の編集・セキガワさんとフクチマミさんがタッグを組んで作られたもののようです。
前作であるこちらの本もおすすめです。
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『マンガで読む 育児のお悩み解決BOOK』(フクチマミ)感想~妊娠中の女性必読の育児書~
イラストレーターのフクチマミさんによる、育児書マンガです。 作者自身の体験だけを描いた育児マンガ(コミックエッセイ)とは違い、育児経験があるママさんたちとワイワイガヤガヤ、ママ友トークを楽しむような雰 ...