里帰り出産記録

【日記】2人目妊娠中のカンジダ膣炎~5回再発した私が処方された薬や誤解していたこと

投稿日:2014年7月13日 更新日:

1人目を妊娠した時は、カンジダ膣炎には感染しませんでした。
2人目を妊娠した今回は、治療しているけれど、5回再発しました(計6回治療をうけ、現在も継続治療中…)。

これだけ再発すると、自分の努力ではどうにもならないとも分かるし、ネットの記事やウワサにも詳しくなります。
同じように苦しんでいる方に向けて、自分の経験と知識を書いておきます。

自分のカンジダ膣炎治療について

どんな病気なの?

カンジダ膣炎。
妊娠中はホルモンバランスの変化や体力低下などもあり、かかりやすい病気です。

私は2人目妊娠中に初めてかかりましたが、産婦人科医師がブログで「産婦人科でもっともポピュラーな相談」と書くくらいなので、患者は多いし、医師としては慣れた病気のようです。

症状

症状としては強いかゆみと、オリモノの変化。
とにかくかゆいです。陰部がかゆかったら妊婦健診を待たずに病院で相談しましょう。治療したらすぐ楽になります。

カンジダ膣炎との戦いの記録

カンジダ膣炎、5回再発したので計6回かかりました。

1)2014年2月 妊娠18週 ←初回 
2)2014年3月 妊娠24週
3)2014年5月 妊娠32週
4)2014年6月 妊娠35週
5)2014年6月 妊娠37週
6)2014年7月 妊娠39週 ←先週…。

治療後、2~3日で症状が治まり、オリモノもかゆみもなくなります。

しかし5月以降は治してもまたかかる、の繰り返し。
治療した2週間後には再発してました。

妊娠してから、尿検査での尿糖や蛋白は陰性です。むくみもありませんし、便秘もありませんでした。

再発を繰り返すと恥ずかしいし情けなくなりますが、努力で解決できる問題ではありません(平時なら違うかもしれませんが、妊娠中は膣内の状態が違うから、なりやすいのです)。
また「これが効果がある!」というネットの情報はアテになりません。病院に行きましょう。

医師への相談&治療の流れ

最初はオリモノが増えたなあ、妊娠中だからかな?…と思ってました。
けれど日を追うごとにオリモノが増え、どんどんかゆみが増していく。

オリモノで下着が汚れるので、タンポンを入れて生活。
トイレに行くたびにウォシュレットで洗浄。
家にある皮膚のかゆみ止めを塗る。
※後で詳しく書きますが、これは間違った対処です。

対処すると一時的にかゆみが治まるけれど、時間が経つとまたかゆくなる。

ネットで調べると、妊娠中にはカンジダ膣炎にかかりやすいと書いてある。
でもカンジダ膣炎にかかるようなこと(セックス)はしてないし、オリモノもカッテージチーズ状ではなく、鼻水とか痰に近い。

丁度、妊婦健診だったので「最近、オリモノが増えてかゆいのですが…」と医師に相談しました。
医師は「見てないけど、かゆいならカンジダの可能性が高いね~!薬入れたらすぐ治るよ!」…と即答。

その後内診し「培養検査もするけど、ほぼ間違いなくカンジダだね。膣に薬を入れます。1週間効果があるよ。」…と、膣を洗浄した後に膣錠を入れられました。
薬は皮膚の炎症を止める薬(かゆみ止め)と抗真菌薬の2種類、処方してもらいました。

「抗真菌薬は1日1回入浴後に塗ってください。かゆみが消えてオリモノも増えなかったら、通院は1か月後の妊婦健診でいいよ」と言われました。
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病院で処置してもらったらかゆみは気にならない程度まで治まり、ほっとしました。
翌日、違和感を感じてトイレに入ったら、下着にカッテージチーズ状の白い塊が落ちてきました…(膣内の菌糸が死滅して落ちてきたようです。)

その後、オリモノもかゆみも治まり、快適な状態に。
想像していたより簡単に直りました。

自宅近くの個人病院(首都圏)で治療した時は、治療費+薬代(皮膚薬と抗真菌薬)=1000円くらい。
里帰り出産予定の総合病院(島根県)では、治療費+薬代(抗真菌薬2本)=320円+520円=840円でした。
※妊婦健診と一緒に治療してもらっているので、5000円分の助成券を渡した上での自己負担部分です。

金額は病院によるとは思いますが、保険が効くのでそんなに高くはないと思います。




誤解しがちなポイント

カンジダ膣炎にかかる以前、私が誤解していたことや、知らなかったことについて書いておきます。

そもそもカンジダって何?

カンジダ菌はもともと腟内に少数常在しているカビの一種(真菌)です。
普段、腟内は常在菌で守られているのですが、何らかの原因(妊娠・抗生物質服用・糖尿病・免疫力低下など)により膣内の状況が変化すると増殖します。

妊娠中は、女性ホルモンの増加、膣内の酸度の変化(アルカリ性になる)、体力の低下、オリモノの増加など、複合的な原因でかかりやすくなるようです。

妊娠中だから薬は使いたくない…

問題ないので、安心して治療を受けてください。

私の場合だと計6回膣錠を入れて、3~4か月の間、継続して抗真菌薬を塗りました。
2つの病院(個人病院と総合病院)で3人の医師に診てもらって、全て同じ治療方法でした。
仮に、お腹の赤ちゃんへの影響が心配されるような薬を使うなら、3人の医師が6回も処方することはないでしょう。

セックスが原因ではない

セックスしなくてもかかります。
私の場合、旦那さんと離れて実家で生活してからの方が再発頻度が高いです。
「季節的な影響の方が大きい」(→梅雨時はかかりやすい)というのが実感です。

とはいえ「妊娠中にセックスするときはコンドームをつけ、手を清潔にしてから」というのは、予防策として大事なことだと思います。

オリモノが「カッテージチーズ状」とは限らない

これも私が誤解していたことです。
同じ人間がカンジダ膣炎にかかっても、オリモノの状態は様々でした。

私が確認したのはこんな感じのオリモノでした。

・鼻水や痰のような粘液(色は緑だったり白だったり)
・カッテージチーズ状(白くてポロポロ)
・甘酒風(白くて水っぽい、少々固形物が混ざる)

共通しているのは、オリモノの量が増えることと、陰部がかゆいこと。
下着が汚れるくらいオリモノが増えて会陰部がかゆいなら、妊婦健診を待たずに医師に相談した方がいいです。

カンジダ膣炎の治療は保険の対象なので安価ですし、現在は1週間効果がある膣錠を入れる方法がポピュラーなので1回通えばほぼ治まります。

間違った対処法で症状悪化

オリモノが増え、かゆみが出るとやりがちなことが症状を悪化させるようです。
間違った対処法をならべると、

・紙ナプキンやオリモノシートを使う
・ウォシュレットで洗浄
・石鹸で陰部をよく洗う

※男性が性器を洗う場合は効果があるけど、女性の場合は膣内の常在菌バランスが崩れて悪化するようです

これらをやるとかゆみが一時的に収まるので私もやっちゃってましたが、産婦人科で「悪化するのでやめてね」と指導されました。

正しい知識で予防しても、再発する時はする

私が産婦人科で指導された内容は

・下着は通気性が良いものを
・下着はこまめに取り換える
・紙ナプキンやオリモノシートは発生の原因になるので使わない
・洗いすぎると逆効果なのでウォシュレットはNG

再発した時から、これに加えてネットで見た

・寝る時は下着をつけない
・ズボンは通気性の高い緩めのものを選ぶ
・下着を手洗いした後、熱湯消毒し、出来るだけ日光に当てる

…等の対策を実践しました。

処方された抗真菌薬はしっかり塗ってました。
医師からは「1日1回、お風呂上りに」と言われましたが、再発が多かったので夜は入浴後に、昼間は4~5時間おきに1日4回くらい。手を洗い、外陰部から内側から、塗り残しが無いようにきっちりきっちり。

それでも結局、再発しています。
これ以上は努力しようもないので、半分あきらめてますが…。

梅雨時~夏にかけての時期はかかりやすい

これは最近知りました。
6月以降、再発の頻度が上がったのが不思議だったんですよね。

カンジダ腟炎増えています。 ~2014年7月2日補筆修正~

出産までに治さないといけない?

私は妊娠37週で再発した為、医師から受けた説明を書きます。

カンジダ膣炎にかかったまま出産すると、赤ちゃんが鵞口瘡(口腔内カンジダ病)に感染する可能性があります。
仮に出産時もカンジダ膣炎が治らず、赤ちゃんに感染しても経過観察で治る程度の軽い病気です。

医師からは「あまり神経質にならなくても大丈夫」と言われました。
正直な気持ちとして出産前には治ってほしいけれど、大丈夫と言われたし、大丈夫でしょう。

※産後に追記
出産が予定日より遅れたこともあり、出産前には完治しました。

市販薬で治せないか?

「相談するのが恥ずかしい…」「忙しくて病院に行けない…」からと、市販薬で解決したいと思う方もいると思います。
私も最初はそうでした。

しかし大抵の場合、1回の通院で治ります。
また、自己判断で市販薬(具体的にいえばフェミニーナ軟膏とか)を使うことが症状悪化につながることもあります。

ネットで囁かれる「自然療法」

「カンジダ膣炎の治療」はサプリメントのセールストークに使われていることも多いと感じます。
例えば「●●(サプリの名称)を飲んで腸内環境を整え、カンジダ膣炎を治療しましょう」…とか、ヨーグルトを塗れば(食べれば)で治るとか。

サプリメントや石鹸は、アフィリエイトの対象になっていることが多いです。
※これについては、私にもお誘いがありました…(後述)

腸内環境を整えることは大切なことだとは思いますが、妊娠中のカンジダについては医師に相談した方がいいです。
重篤化しないとはいえ、産む前に治さないと赤ちゃんが感染しちゃいますし、1回治療すれば治りますしね。

妊娠が関係ない人も、さっさと婦人科に行った方がいいです。
保険適用だから、診察を受けた方が市販薬を買ったりするより安くて治るのも早い。

上にも書きましたが私の場合、(妊婦健診の助成券をつかった上で)1000円くらいでした。
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医師による解説記事

検索するとQ&Aサイトが引っかかりやすいですが、個人が書いたものより婦人科医師が書いた説明の方が信頼性が高いし役に立つと思います。

産婦人科クリニック さくら

カンジダ膣炎の症状や治療については、こちらのブログの解説が分かりやすいと思います。

カンジダ腟炎(外陰腟カンジダ症) ~感染経路と症状~
カンジダ腟炎(外陰腟カンジダ症) ~治療と再発~
カンジダは性病?? ~性行為感染症(STI)とは?~
カンジダ腟炎増えています。 ~2014年7月2日補筆修正~

山本産婦人科

懐かしい雰囲気のHPですが、分かりやすいです。カンジダ膣炎以外の病気についても解説してあって親切。
おりもの・かゆみ・外陰部の痛み

まとめ

記事中に何度も書いてくどいですが(^^;)かゆみを感じたら、すぐに医師に相談しましょう。

つわりなどに比べると体験談を目にしないカンジダ膣炎ですが、本当にポピュラーな病気のようです。
シモの話だから、あまり語られないのでしょうね。私もこんなに再発しなかったら書いてないと思います。

妊娠・出産漫画にも描かれていることも多いです(さらっとだけど)。最近発売された作品だと『うわばみ妊婦』(カワハラユキコ)にちょっとだけ描かれてました。
この漫画、おもしろいのでおすすめです。

『うわばみ妊婦』(カワハラユキコ)感想~”楽しみを生み出す”37歳のマタニティ・ライフ~

宴会好き、お酒好きなイラストレーター・カワハラユキコさんによる妊娠・出産漫画です。 妊娠中に書いていたブログ「踊る!うわばみ妊婦」を下敷きに、妊娠・出産体験漫画を描き下ろして発売されました。 読んだ感 ...

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余談・ネット上のアフィリエイトの罠

上でちょっと触れてますが、ネットで検索すると「石鹸で洗うこと」や「サプリメントを飲むこと」を勧めるサイトやブログがあります。

ネット上には「アフィリエイト」と言う、サイトやブログ経由で商品が売れると、報酬がもらえる仕組みがあります。
私が書いたこの記事も「カンジダ膣炎」というキーワード検索で上位に入るようで、こんなお誘いを頂きました。

ボディーソープを1個販売したら、1,245円(税込)の報酬を頂けるそうです。

ちなみにその「カンジダ菌用ボディソープ」は3,218円(税込)で販売しています。価格の3割をアフィリエイト報酬に当てられるということは、原価はいくらなのでしょうね…?私が受診して薬を処方してもらった金額より高いですし、逆に悪化すると思いますよ…。これ…。

これに限らず、妊娠・子育てに関する情報は、アフィリエイトの温床になっている場合が多いです。

この記事を読んでいる方は妊娠中の方も多いと思いますが、出産の際、入院した産婦人科で「母乳が出る」といった触れ込みのハーブティのサンプルをもらったり、助産師さんが「効果がある」と勧めて来たりするかと思います。
また、ネットで「母乳 でない」等のキーワードで検索すると、上位のサイトが何らかのハーブティを推奨しているとも思います。

でも、母乳が出る・乳腺炎が防げるハーブティは、エビデンス(研究や実験によって証明された数値的データ)がないです。
データっぽい表示(グラフ)があっても、あくまで「個人の感想」(アンケート結果など)。

高価な母乳推進ハーブティを飲んだ場合と、水やノンカフェインのお茶を飲んだ場合。その違いを示す実験結果、検証結果を示しているサイトは、今のところ、見たことがありませんし、母乳育児に協力的で最新の情報を発信している産婦人科医師による情報発信でも見たことがありません。

これについては別記事に書いています。

母乳が出るハーブティはアフィリエイトによるデマです~母乳が出ない・不足すると悩んでいるお母さんへ

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他にも、例えば「発達障害は食事(ミネラル)で直る!」と主張し、自然食やサプリを勧める人もいます(デマです…)。
「発達障害をミネラルで治す」というニセ科学の本丸は誰だ(今日も得るものなしZ)

妊娠や子育てに関する情報は、GoogleやYahoo!等での検索ではなく、信頼のおける医師のTwitterアカウントで得ることをお勧めします。
私のお勧めアカウントはこちらにまとめました。

【医療】妊娠中、産後の情報収集に!医師アカウントのご案内~Twitter&Instagram

※2019/1/22リライトしました。 うちのブログに来ている方は妊娠中、産後の方も多いかなと思います。 検索でうちにたどり着いているので、日常的にGoogleやYahoo!での検索に頼りがちな気もし ...

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妊娠中は不安も多いですし産後は睡眠不良で頭が働かな無かったりもしますが、Twitterで息を抜きながら、正しい情報を得てください。

それでは~

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