アスペルガー症候群のタケル君、音楽的才能が高くボーダーのいっちゃん。
ちょっと変わった兄妹が登場する、かわいい育児漫画です。
白黒で全101ページ、324円です。
リンク貼りませんが楽天KOBO、Booklive!、コミックシーモア、Yahoo!ブックストア、hontoなどでも買えます。紙の書籍はありません。
(レビュー)
amazon ★★★★★(4.7) ※3件
【内容紹介】
数学的才能とアスペルガーの症状があるお兄ちゃん・タケル君、音楽の申し子・いっちゃん、子どもたちの個性と大らかに向き合う両親たち。
発達障害やアスペルガーを知ってる人も知らない人も、読んだらハッピーになる、めちゃゆる子育てコミックエッセイ!
●amazonの内容紹介より引用
【感想と解説】
この本と同じご家族なのでプロフィールの詳細は感想を参照してください。
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『デキバカ』(ひろせみほ)感想~アスペルガー症候群の息子と眠れない娘がかわいい育児漫画
発達障害児を描いた育児漫画を色々紹介していますが、2017年以前に自分から買って読んでいたのは今作だけでした。 2014年時点で紹介記事を書いていますが、現在の視点で新しい感想を書いてみたいと思います ...
作者のプロフィール
漫画家の寺島ヒロさんは、2人の子を持つお母さん。職業は漫画家。大分県在住。
●作者ブログ「でこぼこ兄妹日記」
●Twitter:@terashimahiro
漫画家としての作品は夫のブログの一覧を参照ください。
●大分在住漫画家ひろせみほのkindleで買える23作品
寺島さん自身の発達障害の傾向については、ツイプロフィールに細かく書いてあります。
喋り言葉から意味を汲み取れない、顔が見分けられない、視覚・聴覚・触覚過敏等の傾向があるようです。
●hirosemiho's Profile
家族はアスペ傾向のある寺島さん、夫、アスペルガー症候群のタケル君(中学生)、音楽的ギフテッドのいっちゃん(小学校低学年)の4人。
この本はブログ「でこぼこ兄妹日記」で発表された漫画を収録した単行本です。
ちなみに同じ漫画が公開中なので、興味がある人はブログを読んでみると良いかと。
漫画の構成
1コマ~5コマ漫画が色々収録されています。
季節で区切ってありますが、季節感のあるネタはなかったような…(^^;
この漫画の特徴
変ないい方ですが、ちょっと変わった育児漫画です。
知的な遅れのない発達障害児を持つ親が読むと、感想が違うのかも知れませんが、普通の育児漫画とそう変わらない漫画です。良い意味で。
とはいえ、子どもたちは変わっているとは思います。
色々な育児漫画を読んでいますが、こういうエピソードは見ないなあ、と思う話が多い。
エピソードは変わっていると思うものの、表情が良いと思う。
個人的に寺島さんの漫画については、発達障害を理解する漫画としては読んでいないのです。単純に子どもたちがかわいい育児漫画として読んでいます。
発達障害漫画で見るなあ、と思うエピソード
正体不明のものは食べれない
タケル君の正体不明な食材は食べれない、という話はモンズースーさんの『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』の時に解説した「感覚過敏やこだわりによる偏食」の話と同じですね。
階段の上下が分からない
「発達障害の子は左右を判断しにくい」と聞いてましたが、階段の上下で迷うこともあるのか…。
モンズースーさんがブログで描いてた「階段が怖い」は違う話だしな…。
空間認知能力が低いってことなのかな?道に迷いやすいという話も聞きますし…。でも人物紹介では「いっちゃんは空間認識能力が高い」ともあるし。うーん?
テスト勉強をしない
自分の興味がある分野は深く広く学ぶけれど、テスト勉強はしない。
これはどう対応したのだろう…?中学・高校受験は5教科の点数が必要だから数学だけ良くても結果には繋がらないし。
段階?が理解できない
級が数字の順だと認識していないという話。
『デキバカ』ではタケル君が「小学校→中学校→高校→大学」…と進んでいくことを理解していなかったエピソードが描かれているのですが、こういう勘違い?もあるんだなあ…。
空気が読めないという話は「推察が苦手」ということなのかしら。自分だと小・中・高とか、1・2・3みたいな名前がついていると連続性(関連性)を考えるのですが、一個一個独立して見えるのかな?
漫画とは関係ない話
感想記事を書く時は毎回、結構細かく作者さんが描いたもの(ブログやTwitterなど)を調べるのですが、今回は寺島さんの夫・てらかっぱ(寺嶋克紀)さんのブログを見つけて読みました。
●河童ですから(てらかっぱ)
カテゴリに「家族」があったので、タケル君やいっちゃんについて書いてるかな?と読んだら。
タケル君と寺島ヒロさんのやりとり?が面白かったです(笑)。
タケル君のリクエストでノートの表紙を描いたというエピソード。「東方プロジェクト」のキャラクターらしいですが私メインキャラしか判別できない…(東方=大変有名な自主制作ゲーム)。
●ノートに絵を描いてくれませんか。と息子に言われて描いた母の絵に感激の涙。
●ノートが終わったのでもう一冊お願いします。といわれた母さんは2冊目も手を抜かない。
今度はノートの表紙を描かされました。最近の息子の人使いの荒いことといったら・・・でも「勉強するから~」と言われると弱い。 pic.twitter.com/BzftGunnzP
— ひろせみほ (@hirosemiho) 2013年6月10日
タケル君だけでなく、友達も嬉しかっただろうなあ…。
まとめ
発達障害を持つ子を描いた漫画は、困難との戦いだったり父親不在だったりするのですが、こちらのご家庭はゆったりとしているせいか安心して読むことができます。
ブログを読んでいると教師との相性も良かったりするようなので地域性もあるのかも知れません。
興味を持ったら、ブログを読んでみたら良いかと思います。
●作者ブログ「でこぼこ兄妹日記」
あと寺島ヒロさんが公開している(amazon)「アスペルガーお役立ち本」を見ていたら、一覧にヌケがあると気付きました…orz 追加しときます…。
それでは~
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この感想は「発達障害特集」の一環です。今まで書いた「発達障害特集」の記事はこちら。
●発達障害に関する育児漫画