読むと元気がわいてきます。
息子(男の子ばかりの兄弟)をもつ親が読む育児漫画としてもオススメしたい育児漫画。
個人的には35歳で第一子を出産し、3人の子供を産んでいることに勇気をもらいました。
amazon ★★★★★(4.8)
楽天 ★★★★★(5.0)
【内容紹介】
ダウン症児・ユンタとママ漫画家・たちばなかおるのちょっとレアな子育てエッセイコミック。
ユンタを筆頭に3名の男の子あばれまくりのたちばな家は、もう毎日がてんやわんやのハイテンション!
ダウン症児のパパ・ママ以外も、泣き笑いできること間違いナシの育児奮闘記です☆
【感想】
作者のタチバナカオルさんは2006年11月、35歳でユンタ(純太)くんを出産し、その後、純大くん、純一くんを出産。3人の子供のお母さんです。
男の子3人とお父さん(パパ純)、お母さん(作者)の5人家族(…全員そろったコマがこのくらいしかなかった…。)
長男・ユンタくんの出産から4歳5か月までの様子が収録されています。
私が初めて読んだのはWeb連載でした(双葉社WEBマガジン・カラフルにて連載中)。かわいい男の子の絵と一緒に目に飛び込んできたのは「ダウン症の男の子」の文字。
「きっと大変なんだろうな、覚悟して読まねば…」そう思い、恐る恐る読み進めました。
…あれれ?とても面白い!読みながら大笑いしてしまいました。各話、最後にオチがあるのですが、予想できない力強さ…!(特に「深津絵里」は素晴らしかった…)
テンポいいし、表情が良いし、毎回笑いどころがしっかりあり、病気の説明もあるけれどくどくないし、説教臭さや暗さは微塵もない。
登場する三兄弟〜ユンタ、ダイ、いっちゃん。3人ともかわいい。それにしても男の子って激しいなあ!
作者もパパ純も、疲れた顔を見せながらも明るいし笑顔も多い。
私が説明するよりも読んだほうが早いので「カラフル」をご覧ください(右側の「バックナンバー」を選べば1話、2話、21話~最新話が読めます)。
読む前は、ダウン症児の子育ての困難さが描かれていて、読んだ後で色々考えてしまうような漫画を想像していました。
ユンタ君はダウン症なので、検査や発作、訓練、保育所や小学校入学時の面談の様子についても描かれています。また、ダウン症の特徴(合併症のことや筋力が弱くて歩けるようになるまで時間がかかる)にも触れられています。
作者が悩んだり苦しんだ経験も描かれており、特に出産~8か月目までは作者が暗い表情を見せる場面も少なくありません。
でも、作者は自分で考えて行動して、自分の手で情報を掴みに行ってる。
目に見えない「一般常識」とか「普通」に飲み込まれない。その姿勢に胸が熱くなりました。
コラム部分(文章)にはダウン症児童の母として「息子の障がいを受け入れるってこと」が書かれています。
当時の作者が1番知りたかったこと。それは「未来の自分が笑っているかどうか」。
6年前に自分が1番知りたかったことに対して「予想以上に笑っているから安心しろわたし!」と書いています。
この漫画を読むと、その言葉に裏が無いことが伝わってきます。
コラムの中で将来のことを書いているのも素敵だと思いました。
「障がい児のユンタには、私とパパ純が死んだあと、福祉のお世話になる日がきます。(中略)ダイダイといっちゃんにどうにかしてもらおうとは思いません。兄弟とはいえ他人ですからね~」
今のうちから利用できるサービスは全て利用させてもらって、将来、グループホームに入るときの為にユンタくんの顔と名前を売っておきたい。
この漫画をを読んで、今の自分は頭でっかちだな、と気付かされました。
仕事をしていた時からの癖なのですが、先を読んで効率よく無駄なく進めたい、コントロールしたい…て気持ちが強いです。
子供を産むことについても、効率を計算してしまう自分がいる。
自分は「ダウン症のことを知らない」。だけど「ダウン症児が産まれたら不幸」だと決めつけていた。思い込んでいた。
頭をこつん、と小突かれたような気持ちになりました。
最初にも書いたのですが、私自身がこの作品で一番感銘を受けたのは、35歳で第1子を出産し、その後2人産んで3人兄弟!ということです。
私は34歳で1人目を産みましたが、産んで始めて「子供は3人だ!」思ったんですよね…(遅い)。自分が3人姉兄妹だからなのですが。
言い訳してないでチャレンジしてみよう…!と思いました。
※追記
2巻が発売され、早速買いました。
●『たちばなさんちの長男坊 ユンタのゆっくり成長記』(たちばなかおる)感想~ヤンチャ盛りの3兄弟のドタバタな毎日~