育児漫画目録

妊娠・出産・育児漫画のカタログ

*

『赤子よ日記』(藤枝奈己絵)感想~頭を使わず楽しめる妊娠・出産・育児漫画~

      2014/08/04

藤枝奈己絵さんによる、妊娠・出産・育児漫画です。

長々書いてますが、この一言だけでいい気がしています。
「おもしろいから読んでみて!

年齢も性別も、子持ちであるかどうかも関係なく、みんなが楽しめる人を選ばない漫画だと思います。
でも、読者がお母さん・お父さんであれば、一層楽しめると思う作品です。

全189ページ、価格は900円+税です。
作者の育児漫画ブログ『幼児よ日記』

※amazon、楽天ともにレビューなし

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【内容紹介】

初めての妊娠→出産→子育てと目まぐるしい毎日をゆるゆるとつづり、ブログにて好評執筆中の「赤子よ日記」を単行本サイズに大幅描き直しの上待望の単行本化!!

【感想】

感想を書こうと思ってからパソコンと向かっている時間は長かったです。
結局、難しい言葉を尽くして表現することも出来なくはないけれど、それだと面白さが減る気がする。ブログ連載漫画なんだし、読んでもらえばいいか~…というところに落ち着きました。

単行本の発売と合わせてブログは「幼児よ日記」にバージョンアップされました。
ブログが面白いと感じたら、是非『赤子よ日記』も読んでみてください。
youjiyonikki

いつもなら「こういう人におススメ」「こういう人にはおススメしない」…というのを書くのですが、この漫画は人を選ばない気がしています。
読者はひたすら笑って楽しむだけ。娯楽色が強い漫画です。
あえていえば、体験漫画を読んで自分の妊娠・出産を想像したい人には向かないと思います。

でも、絵を見て「やめとこ!」と避ける人は少なくないはず。
正直に書きますと、私が「赤子よ日記」を見たときの第一印象は「ええ?こんな絵じゃ読む気しないわー」…でした。
母親(作者)は人に見えないし、子ども(赤子ちゃん)の絵もかわいいと思えず…。
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「ものは試し…」と漫画を1つ2つ読んでみたら、印象がガラリと変化しました。
独特の世界にハマって、2日間昼寝もしないで「ニンシンニッシ」からの漫画を全て読んで、このブログで紹介しました

「幼児よ日記」から母親(作者)は人間の姿になりましたが、今ではあの姿に慣れてしまって、あっちの方が好きだったなーと思うから不思議です。
漫画を読んで合わないなら仕方ないですが、絵だけで判断し、避けるのは勿体ない作品です。

そういえば『ぴのにっき』や『つれづれなるママ本』も最初は抵抗感があったのに、慣れるとこの自画像の方が好きになってたな…。
hahaoya

作者のプロフィール

作者の藤枝奈己絵さんは1976年4月1日生まれ。
1999年、講談社ヤングマガジンにてデビュー。アックスにて「西成日記」を連載中。

2012年7月、36歳で娘を出産。家族は藤枝さん、旦那さん、赤子ちゃんの3人。
赤子ちゃんは娘さんですが、性別を感じさせるネタが無いので、息子持ちの人でも問題なく楽しめます。
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単行本のサイズとブログとの画像比較

育児漫画はB6版の単行本が多いのですが、『赤子よ日記』はA5版。こっちの方が持ちやすいし、本棚に収納できるので嬉しい。
※A5版→『よつばと!』『甘々と稲妻』『乙嫁語り』など、青年誌の漫画単行本のサイズ。
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サイズは小さいけれど、ページは多めの189ページ。
※一般的な育児漫画は110~130ページくらいです。
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単行本化に合わせて、漫画は全て描きなおしたそうです。
たしかに、比べるとだいぶ変わってる…。

ブログだとこうでしたが、
akago

単行本だとこうです。
この漫画、ブログで読んだ時は「孫を持つ初老の婦人との会話」だと思ってましたが、通りすがりのお父さんとの会話だったんだなあ…。
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単行本の内容

内容は妊娠・出産時期を描いた「ニンシンニッシ」と、出産後~1歳4か月までを描いた「赤子よ日記」で構成されています。
単行本化に合わせてページの左側に妊娠週数や月齢が追加されています。
4コマ漫画の下にブログに書かれたコメントが追加されていて、これもいいなと思いました。
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ニンシンニッシ 84P

妊娠がわかった3週から、赤子ちゃんが産まれた40週までの様子が描かれます。
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藤枝さんが住んでいたシェアハウス「沈没ハウス」での体験も描かれています。トイレで出産した後、自分の胎盤を食べるルームメイトのはなし…。
なかなか稀有な体験だと思うのですが、さらっと描かれているのがいい。
※「沈没ハウス」についてはウィキペディアの「沈没家族」を参照。
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赤子よ日記 103P

赤子ちゃんが生まれ、入院している時期から1歳4か月くらいまで、日々の育児が描かれます。

赤子ちゃんが生まれて~定期的に挿入される「割烹母乳」シリーズと、「お父さん」関連のネタが好き。
ブログで読める話へのリンクを貼っておきます。

割烹母乳「するする詐欺」のはなし。(1歳8ヶ月)

なんというか表現が秀逸過ぎてもう…!
「おっぱい」ってこんなだよなーという共感しつつ、細かい描写を読むと二度三度おいしいネタ。
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お父さんネタ「自虐ネタに消化して頑張っているようにみえるので」のはなし。(1歳9ヶ月)
大阪に住む藤枝さんのお母さんやおばあちゃんネタも好きですが、自分的にはお父さんネタが最強だなー。
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でろでろのアメーバのようなお父さんが頬を赤く染めて嬉しそうに語る姿がたまりません…。
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お父さんネタの時はドライに容赦なく突っ込む藤枝さんも好きです(笑)。
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この漫画の好きなところ

この漫画の良いところは頭を使わずに素直に読んで、笑って、それで終われるところだと思います。
これだけ気楽に読める漫画は珍しいと思う。

「あるある」ネタはふんだんに盛り込まれていますし、作者が育児をしていて不満に感じた出来事も、赤子ちゃんによって引き起こされるトラブルも描かれています。

けれど、ネタの料理の仕方というか、味付けが独特で。
ちょっとしたネタなのに、気が利いてる。思わず膝を打つ感じ。良い感じに脱力できる。

私の中にある「普通」や「常識」を軽やかに飛び越える感じが小気味いいです。
個人的に1番ハっとしたのは病院で「帝王切開になるかも」と説明を受けた時の藤枝さんの反応。

「いいね~」
「全身麻酔で意識がないうちに全て完了…」
帰宅後、ネットで調べたら帝王切開は意識のある人もいると知り、びっくりする…。

ショックを受ける…ではないどころか、ラッキーとでもいわんばかりの反応には目からウロコな気分でした。

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藤枝さんの4コマは1本読むだけで元気がもらえるんですよね。

育児しているとどうしてもイライラピリピリしやすいですが、この漫画の中に流れる時間はゆったりしてる気がして。
なにこれおもしろいわ~!とゲラゲラ笑って元気がでる。
読むと頭がほぐれるというか、マッサージされた感じ?温泉に浸かってる感じ?でイライラしてた自分を忘れられます。

そういう雰囲気が自分が好きなところであり、この漫画すごいわーと感心する部分でもあります。

自分的名場面集

マタニティグッズっていらないよね?のはなし

藤枝さんは色々工夫して手持ちの服を着てマタニティ服は出来るだけ買わないようにしていたようです(これらのエピソードも面白かった)。
妊娠・出産経験のある友達に「いらなくなるよね?」と話した時の友達の返答にうなずける分、笑って泣けた…。
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お金のはなし

ちょいちょい出てくる、妊娠中のお金の話。
「(子宮筋腫があるのが原因か)赤ちゃんが育っていない」とのことで、予定日17日前から入院した藤枝さん。
一泊1万5千円てホテル並みですね…。
熱海、ここは熱海…と唱える様子が上手い。
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Google検索のはなし

「旦那」「妻」と入力すると表示される予測語のはなし。泣ける…。
自分でも入力してみましたが、ひどかったなー(予測語は検索で多い言葉が表示されます。夫、の結果もひどい)。
しかし、藤枝さんはなぜ「旦那」と入力したんだろう。
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赤子って…

これは「母親あるある」ネタ。
間に挟まれる「フォー!ガッ!!トーン!!!」が秀逸だと思います…。ほんとそんな感じ…。
離れていた時の寂しさや哀愁は、出会った一瞬で忘れ去る…。
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作中に登場した育児漫画家さん

講談社絵本通信で『新米父さん危機一髪』を連載中の絵本作家・イラストレーターの田中六大さんが登場。
2012年2月生まれの息子・こうくんを描いています。
rokudai

ご本人が描いた自画像と藤枝さんが描いた似顔絵とのギャップが面白い…!

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帯を描いているのは黒澤Rさん。
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ヤングアニマルDenshiで『ふたごと!』を連載中。2012年6月生まれ、女の子の一卵性双生児、うーちゃんとさーちゃんの育児の様子を描いた育児4コマ漫画です。

ずっと読んでますが2014年2月更新の話で妊娠糖尿病だったことが描かれていました。育児漫画で妊娠糖尿病体験を読むのは初めてでした。インシュリンてお金かかるね…(叫ぶのもわかる)。
futagoto

より楽しむために

漫画家・藤枝奈己絵インタビュー「居候ライフからシェアハウス、そして里親への道筋」(未来回路)

インタビューを読むと藤枝さんの違った一面が見れて興味深かったです。
人を笑わせるのが上手い人は色々な側面を持っているものだなあ。
漫画家・藤枝奈己絵インタビュー
fujieda_info

藤枝奈己絵×田房永子トークショー

ママだって、人間』を描いた田房永子さんと藤枝さんによるトークショーです。
今週末ですね。

【日時】2014年4月19日(土)19:00~
【会場】よるのひるね(東京都杉並区阿佐谷)
【入場】予約1500円+1d500円/当日1800円+1d500円
【URL】
(出版社)青林工芸社
(イベント会場)よるのひるね

幼児よ日記(作者ブログ)
ママだって、人間(作品ページ)

まとめ

おもしろかった!以外の感想が浮かばなくて難産だった感想文ですが、最終的にはえらい長い感想となりました。

作者の主張があったり、苦労話が描かれた漫画も好きですが、最近の妊娠・出産・育児漫画は頭を使って読むものが多い気もして。
単純な娯楽作として気楽に読める漫画っていいなあ…と思いました。人にも薦めやすいですし。

 - 1-1-2 出産時の年齢が30~39歳 , , ,

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