出産時の年齢が40歳~

『トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編』(高橋由佳利)感想~読めばお腹がすいてきます~

投稿日:2013年11月13日 更新日:

※過去の感想記事はエラーが出てしまう為、削除して再投稿しました。

1995年~1999年に連載されていた漫画の文庫版です。

トルコで旦那様と出会い、妊娠・出産・育児をしていく様子が描かれています。
妊娠してからの話は全体の3分の1くらいで、他はトルコの文化の話や食べ物の話が色々と。

妊娠・出産カテゴリに入れるのはどうかな?…とも思ったのですが、妊娠中の体重増加についてや離乳食など、トルコと日本との違いが面白いです。
トルコの空気に触れて、気分転換もできる一冊だと思います。

amazon ★★★★(4.2)
楽天 ★★★★(4.0) ※レビュー2件

【内容紹介】

トルコ人が泣いて喜ぶ国民的料理とは!?
“ピシピシ"で赤ちゃんはよく眠る!?
コーヒー占い師が一家にひとり!!

トルコ人と結婚した作者が、立派なトルコの嫁になるべく料理に育児に大奮闘。魅力溢れるトルコをユーモラスに紹介するエッセイ漫画、第2巻!!

【感想】

作者の高橋由佳利さんは、1958年生まれ。
元・りぼん作家さんなのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
私がりぼんを読んでいた頃『狸穴中学バナナ事件』を連載されていました。

1994年・36歳でトルコ人の旦那様(Kさん)と婚約、1998年・40才のときに息子・ケナン君を出産。
トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

「トルコ嫁入り編」との副題がついている通り、トルコを訪れたきっかけや旦那様とのなれ初めから婚約~結婚、出産、里帰り等について描かれた漫画がまとめられています。
1つのエピソードが8Pでまとめられていて、途中で子供がぐずったとしてもパタッと読むのを止められて便利です。

トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

出産や育児に関するエピソードとして気に入ったものをいくつか。

トルコでは、悪魔に嫉妬されないようにと、生まれた子供に青い目玉のついたガラスのお守り(ナザル・ボンヂュウ)を腕につけるとか、あまりほめないとか。
旦那様・Kさんの行動は他の育児漫画では見ない感じで、かわいらしいです。
生まれたばかりの息子の姿を見て愛しさがこみ上げるあまり「食べちゃう!」を連発したり、息子さんの泣き声をほっておけず、駆けつけたり。子煩悩ですな。
トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

驚いたのは離乳食の話。
ハチミツ、食べさせちゃうんですね…。びっくり。
※日本では1歳未満の乳児には与えないよう指導されています。→乳児ボツリヌス症に感染するためです。ご注意ください。
トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

離乳食に砂糖を加えるのも気にしないようで、これまたびっくり。
食べちゃダメ!と食品を控えた結果、小食になるより、たくさん食べることの方が重要と考えるのかなあ(それも正しいと思う)。

高橋さんはお姑さんが砂糖入りのヨーグルトを食べさせようとするのを防ぎつつも(笑)、トルコ式の子育て術を学んで、手を抜けるところは手を抜いたり。
相性も良かったのでしょうけれど、お姑さんとの付き合い方がうまいなあ、と感心します。
トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

離乳食については、日本はあれもダメこれもダメと、正直神経質すぎるとも思うんですけど、虫歯も偏食も心配なのですよね…。

そして、更に驚いたのは妊婦さんの体重事情。(当時は)妊娠後の体重が20㎏増加はザラだったとか…。
体重管理についても、日本の病院は厳しすぎるとの意見もありますが、産道に脂肪がついて難産になるのも困りますしね…
トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

作品内で紹介されていた「ペクメズ」。ぶどうを煮詰めて作ったジャムというか、シロップのようなものみたいです。
鉄分が豊富で、妊婦が食べることを推奨されるそうです。プルーンみたいなのかな?鉄分対策にはちょっとよいかも。

赤ちゃんを寝かしつける足技「ピシピシ」。赤ちゃんを足に乗っけてゆらゆら~としたり、シーツでくるんでゆらゆらしたり。
日本では聞かないけれど、検索してみたらブログで紹介しているトルコの在住の方が何人もいて、効果が高そうでびっくりしました。
うちに娘(1歳5か月、9㎏)には可能だろうか…。やってみようかな。
トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

育児関連の話も面白いですが、やはり食べ物の話はおいしそうだし、面白い。

私はパンが好きなので、トルコのパンの話はおもしろかった。
パンに何でも挟むのが面白くて、パスタは当然、ピラウ(油と塩を入れて炊いたごはん)、パンだって挟んじゃう!
パンにパンを挟んだサンドウィッチ…どんななのでしょう…。
トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

トルコのお酒の話や料理の話も面白かった。
妊娠中の方には目の毒かもしれないですね。シロップがひたひたにかかった、どろっどろに甘いトルコのお菓子を食べてみたくなっちゃう…

他にも東欧(オーストリアやハンガリー)を旅行した話や、旦那様と(日本で)歌舞伎を見た話なども描かれています。
いつもの生活に近いけどちょっと文化が違う育児の話と、非日常な旅行などの体験話を合わせて読めて楽しいです。
========

「トルコで私も考えた」が連載されていたのは1990年代。
途中、息子さんや旦那さんの反対にあって描かずにいたようですが(育児漫画はプライベートの話題が満載なので、子供が小学生に上がると難しいと思います…)、2013年4月に最新作「トルコ料理屋編」が発売されました。

その中ではケナンくん、中学生です(反対にあった影響で名前は「K」になっています…)。
175㎝で靴のサイズが30㎝…とは…。大きくなったなあ…。

タイトル「トルコ料理屋編」の名前の通り、旦那様(Kさん)が神戸にトルコ料理屋を開業する話です。
育児話はほとんどありませんが、面白かったです。

前述したトルコのパンの話にて登場したサバサンドをお店で販売していたり、料理屋の話だけあってトルコ料理の話が満載でした。
レシピも掲載されているのですが、作る前に食べに行きたくなります…。目の毒だ…!(笑)

個人的には、高橋さんのトルコ年表がついていたのがありがたかったです。

トルコで私も考えた・トルコ嫁入り編

異国・トルコの話が中心ですが読みやすいし、なんとなくほっとする雰囲気がとても心地よい漫画です。

追記:
2016年12月で料理店は閉店されたようです。
「トルコ料理ケナン」で検索すると、行った方のレポが読めます。

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