Twitterでの発言をひろってきました。ベテラン作家でも描かせてもらえないとなると、思った以上に育児漫画の雑誌連載は厳しいのかも。
漫画家の上田倫子さんが育児漫画を描ける場(雑誌)を探している件
Twitterでの発言
昨年末に描いた「むすまん」が基本的に雑誌の穴埋め選手漫画でなかなか掲載枠がとれずいまだ世に出られていません。季節外れだったネタが季節に追いついてしまってるよ!!育児漫画好きな方、YOU編集部にリクエスト送って応援お願いします~~!!
— 上田倫子「蘭と葵」1巻発売中 (@korinntonn) 2017年4月17日
育児漫画ネタがどんどんたまるんですがコンスタントに発表できる場を探しています。単行本になってお金を生み出すコンテンツではないのでなかなか難しいのですが私は独身時から雑誌に載ってる育児漫画は喜んで読んでたので普通の少女漫画雑誌でも育児漫画載ってると嬉しいなあ。
— 上田倫子「蘭と葵」1巻発売中 (@korinntonn) 2017年4月17日
そもそも上田倫子さんって?
少女漫画家さんです。私の調査だと2010年(39~40歳?)の時に第1子(娘さん)、2013年に43歳で第2子(息子さん)出産。
最新作は『蘭と葵』
私の世代(アラフォー)だと雑誌「週刊マーガレット」で連載してた『リョウ』が印象深いです。源義経や武蔵坊弁慶など源平争乱が好きな友人とキャーキャー言いつつ読んでた。
育児漫画は「むすまん」というタイトルで雑誌「YOU」に1回1ページ掲載されました(記憶頼みなので詳細違うかも…)。
5月末発売のアンソロジー本『育児ことわざ』にも参加予定。
雑誌「YOU」って?
成人女性向けの漫画誌(月刊)。
育児漫画だと『子供なんか大キライ!』(井上きみどり)や『おにぎり通信~ダメママ日記』(二ノ宮知子)を掲載していたはず…。
村上たかしさんの『くう・ねる・そだつ』、武内直子さんの『姫と王子の●●ぱーんち!』、楠桂さんの『不育症戦記』もYOUじゃなかったかなあ…?(うろおぼえ)
個人的には「定期的に育児漫画を掲載している雑誌」の印象が強いですが、そういう雑誌でも描かせてもらえないという…。
育児漫画の雑誌連載
私の調査なので漏れがあるかもしれませんが。
2017年4月時点で、漫画雑誌での連載は集英社オフィスユーの『おひとりさま出産~育児編』(七尾ゆず)、FEEL YOUNGの『モンプチ』(じゃんぽ~る西)のみ。
あとはぶんか社の「本当にあった~な話」にスポット的に掲載されているくらいです。
流れとしては2015年に雑誌「BELOVE」の『ハロー姉妹』(南国ばなな)、2016年に「YOU」連載の『おにぎり通信』(二ノ宮知子)が終了。雑誌連載と言うか迷いますが「ヒバナ」掲載の『最近の赤さん』(とよ田みのる)も終了。2017年に『まんが親』(吉田戦車)、『よんこまのこ』(重野なおき)が終了。
詳しい終了時期を調べてませんが2014年〜2016年に「エレガントイブ」で高瀬志帆さん・カラスヤサトシさん、「もっと!」(現在は廃刊)で榎本俊二さん、「ジュール素敵な奥さん」でたちばなかおるさんの連載も終わっています。
終わってばっかりで新作は現れてません。
その他の雑誌だと「オレンジページ」に『おかあさんの扉』(伊藤理沙)、「たまごくらぶ」(『アラフォーかあさん年中無給』水玉ぺり)「ひよこくらぶ」(『ただいま両手がふさがっております』和田フミ江)、「おともだち」(『いろはにちへど』ナナイロペリカン)、「たのしい幼稚園」(『なるなるナルちゃん』きのかんち)がありますが、いずれも1話2Pです。
創作漫画だけど逢坂みえこ『プロチチ学童編』は「FQ」連載で1話3ページ。掲載してる雑誌・連載してる作品数も少ないですが、ページも少ない。
漫画雑誌自体の売り上げも下がっているし(集客できない漫画を載せる余裕はない)、育児漫画は基本読み捨てされる(単行本が売れない)はずなので、掲載する理由が見つからないなあ…。
まとめ
これだと暗い話題ですが、電子書籍だと変わった動きもありまして。
藤田素子さんの『高齢出産どんとこい!』という妊娠・出産・育児漫画があるのですが、電子書籍だけで続編が出てます。
※内容的にはびみょーなのでお勧めしません。タイトルで得してるパターン。
1巻は2004年発売。私が「育児漫画目録」を始めた2013年時点では2巻まで刊行、絶版してました。
2015年7月~8月に3,4,5巻が電子書籍版で発売されています。(Kindle Unlimited対象)
2013年当時はKindle版はなく、Renta!やYahoo!ブックストアだけで公開されていました。多分、その売上が好調だったんじゃないかしら。
2017年には絵柄とタイトルを変えた新作まで出ています。全2巻。「超実録! 高齢出産体験記」と書いてあるのでそうなのでしょう。
育児漫画だけでいうと、現状、雑誌ではなくWEB連載、さらに言えばブログやTwitter、instagramでの個人公開が主流のようです。
ぶっちゃけ、読み捨て文化だからこれだけ多いと雑誌で読む必要もなく、単行本を買う必要すら薄い気がするんですよね…。
instagram発の単行本は「フォロワー7万人」が一つのラインみたいですが、何千部売れるんだろう?
余談ですが最近注目されている(いくつかのニュースサイトで紹介されている)のは「ヤマダモモコさん」みたいです。
●【親あるある】ママさんイラストレーターの「育児絵日記」共感しまくり / 癒される親たちが続出しているもよう
それでは~。