『おとりよせ王子飯田好実』(←面白いです)のたかせシホさんの育児漫画です。
読み終わっての感想は、うーん…。という感じです。
おもしろくないわけではないのですが、人に薦めるほどではないといいますか。
特に気になったのは、
1)表紙と中身の絵柄が違う
2)タイトルと中身のイメージが違う
本を手に取るったときイメージと中身のイメージにギャップがある為、なんだかもやっとしてしまいました。
裏表紙は中の漫画と同じ絵柄で描かれているので、こっちを表紙にしてよかったのではないかと思いました。普通は書店で立ち読みできないし…。
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【内容紹介】
育児するオトコ、それがイクメン。子育てエッセイまんが。
【感想】
たかせさん、夫・けいごさん、息子・こうすけくん(4歳~6歳)、娘・かなちゃん(1歳~3歳)の4人家族。
副題に『うちのイクメン観察記』とついている通り、特に前半は旦那様・けいごさんの育児の様子を中心に構成されています。
たかせさん、けいごさん共に漫画家で、フリーランスの在宅仕事。
第一子の出産時期にけいごさんが連載していた雑誌が休刊。たかせさんが仕事を引き受け、けいごさんが育児に参加するようになります。
「タイトルと中身のイメージが違う」点については、個人差があると思いますが。私はタイトルを見たとき「育児に協力的な夫を、褒めて伸ばすような作品」をイメージしていました。
少なくとも旦那さんに読んでもらって、育児に対してどう協力するか、ヒントがもらえるような漫画かな、と。
実際に読み進めると確かに『観察記』で、夫・けいごさんは育児に協力的と感じる反面、内容が保育所への送り迎えや入院時の立会などのエピソードで構成され「日常生活」の雰囲気があまりなく…。
作中でたかせさん(作者)は「うちの父はマジすごい頑張ってるんです!!だからこの連載は「父」を主役にしたかったの!」(P71)と叫んでいますが、漫画を読んでいると、育児に協力的な旦那さんをこき下ろしている(バカにしている?)ように見える場面がありまして。
漫画として楽しめるものにする為だとは思うのです。
多分、けいごさん本人が描いていたら同じ表現でも気にならなかったと思うのです。
『イクメン観察記』と題しながら、夫はイクメンとしてまだまだです!…と言っているように見えてしまって。
読む限り、旦那様はよく頑張っていると思うんですが…
(たかせさんがダメだししている「娘の服の選び方」については、自分が娘の服のコーディネートとか気にならないからかな…)
この後くらいから、たかせさん(作者)が少しづつ本音を語り始め、たかせさん(作者)中心で描かれたエピソードが増えてきます。
その方が面白く感じました。
結局、育児漫画は描き手が主体の方が楽しめる作品になる、ということでしょうか。
保育所の入所規定についての疑問を市役所の保育課担当者に問い合わせたり、保育所の役員になったり、市長に要望をメールしたり。
保育所入所に関連する話は、作者の知識と経験を活かして、もっと突き詰めて描いてもおもしろかったかも知れません。『オットと育児。』内だとテーマが外れるから別の漫画で。
けいごさんが作中で「ヨメは攻め、自分は守りの姿勢」と語っていますが、後半になると作品内でもたかせさん(妻)の行動から話が動き、けいごさん(夫)は起きたことに対してリアクションをする…という流れが出来てきます。
後半は、けいごさんが活躍しているとは言えないのですが、落ち着くところに落ち着いている感じがして、読んでいても不快感がありません。
前半については、けいごさんの頑張りを描こうと注力した結果、不自然になったのかもしれません。
『オットと育児。』は育児漫画ですけれど、育児漫画としてもイクメン漫画としても中途半端な感じが否めないですね。
母親・妻視点で父親・夫を描くのが難しいのか、慣れの問題か…。