Twitterでつぶやいたら反響が大きかったので記録として残します。
役に立てばよいと思う反面、元いた会社の守秘義務を破ることになるので少し嘘を混ぜています。ご了承ください。
私がチェーンストアの店員だった頃、誘拐未遂事件が2回起きました。
店で知らないおじさんに声をかけられる
育児漫画描いてる、きざきしんさんのツイートがきっかけとなりました。
今日、おもちゃ売り場で娘を降ろして色々見てたんだけど、知らないおっさんに「一緒にくるかい?」と話しかけられてたらしい。。(私はレジで並んでて、旦那はすぐ近くにいたけど気付かれなかった?) 旦那が睨んだら離れたけど、他の子にも話しかけてたっぽい。 本当気を付けないと危ないわ
— きざきしん (@kzks) 2014, 12月 14
脅すわけではないけど、人生で4回くらい人さらいの姿を見た私であっても、自分の子どもについては気が抜けることが多いので、自分の子どもだけでなく、広い範囲でちょっと気を付ける、は大事だと思う。
— 末尾 (@matu_bi_) 2014, 12月 14
(脅すわけではないけれど)私が遭遇したうちの1件は「3歳の男の子が知らないおじさんと手を繋いで店舗の外まで歩いて行った(親は店内でいなくなった子どもを探していた)」です。男の子もさらわれますし、声を上げることなく外に出る(車に乗せる)ことはできます。
— 末尾 (@matu_bi_) 2014, 12月 14
(脅すわけではないけれど)もう1件は、「迷子のお知らせ」をしたら、迎えに来た人がいて、対応していたら”本当の親が現れた”…てパターン。こわい。マジでこわい。(それまでは、迎えに来たひとに身分証明書を確認するなんて、全く必要ないと思っていました)
— 末尾 (@matu_bi_) 2014, 12月 14
書いていて、そういえばどちらも年末だったと思いだしました。店舗にとって12月は1番売上が多い(客数も多い。日によっては夏の2倍くらい)時期です。年末だけでも気を付けましょう。
— 末尾 (@matu_bi_) 2014, 12月 14
遭遇している回数が多いのは、私がお店の店員として働いていたからです。 この辺は「心配し過ぎ」っていうけど、その人が子どもを守ってくれる訳ではないからさ…(・ω・)
— 末尾 (@matu_bi_) 2014, 12月 14
実際に目にしたこと
2つの事件は、別の店舗で発生しています。
遭遇したのは私が店員だった2001年~2007年頃です。
店舗は、郊外型のチェーンストアです。駐車場が店舗の前にあって、大きめの道路(4車線、間に分離帯がある)に面していました。
発生した場所や時間帯
2つの店で共通するのは
・県境(1件目は東京と千葉の境、2件目は東京と埼玉の境)
・大きめの道路に面している(首都高への入口も近い)
・時期は12月。1件は12月中旬、1件は12月下旬(年末)。
・曜日は日曜日。
・時間帯は15~16時頃。
迷子になったケース
3歳の男の子。
親御さんからの問い合わせに対応。店内放送をして、店内を見て回っても見つからず。
機転を効かせた男性スタッフが「店の外を見てきます!」と外に走り出す。道路まで出たら、近くの横断歩道で立ち止まっている子ども連れの男性を発見。
スタッフが「おい!」と叫んだら、男は子どもを置いて走り去っていきました。子どもの保護を優先した為、追いかけたりはしていません。
「本物の親が現れた」ケース
5歳の男の子。
子どもが「迷子になった」とサービスカウンターに来たので「迷子のお知らせ」放送をして待っていたら、「さっき放送があった…」と男性が現れる。
子どもを呼ぼうとしたら横から女性に「すみません」と声を掛けられ、その女性と話をしている間に、男はいなくなりました。(急に背を向けたので「お客様?」と声を掛けたけど…)
子どもに確かめたら、この女性が”本物の親”でした。
その「人さらい」は掴まったの?
慌てて警備会社に連絡し、警察も駆けつけてくれましたが、被害がないから情報共有と注意喚起のみです。
3歳の男の子のケースでは、親御さんが被害届を出していた筈ですが、掴まったとは聞いていません。
犯罪者も色々いるとは思いますが、私が目にした「人さらい」や万引き犯は、さらっと去っていきました。
店長と「なんか逃げ慣れてる感じだよね…」と話したのを覚えています。
気を付け過ぎてもいけない
冒頭で紹介したきざきしんさんのツイートへの反応を受けて、こんな声もあがっていました。
私は買い物途中で泣いてる女の子に出会って「お母さん、見つからないの?」って聞いたら「うん」と言うからサービスカウンターに連れてこうと手を繋いで歩いてたらお母さんが出て来てあたかも連れ去り?と思われる目線で…親切が仇?な感じでした…
この方は「次からは店員に任せます」と話していました。
他にもこれに類似する話があります。
●漫画家・倉田真由美氏、倉敷の女児誘拐事件で「小さい女の子と成人男性の組み合わせには注視した方がいい」と発言
●【衝撃】下校中の女子生徒に「駅はどちらですか」と声かけただけで通報 / ネットの声「道を歩いているだけで逮捕される時代がくるかも」
大半の人は、善意を持って子どもと接してくれます。注意が行き過ぎると「子連れでない女性」や「男性の見守り」が無効化して悪循環にハマります。
また後述しますが、店員にも余裕はありません。「自分から迷子に声を掛けてくれる、余裕のある店員」は、人が混んでいる場所にはいないと思ってください。
じゃあ、どう気を付けようか?
「社会全体で見守る」のも重要ですが、店舗勤務の経験を元に自分自身が意識していることを書きます。
簡単に言えば、オフピークに利用しています。
具体的には
・平日に行く
・親だけで行く(夫婦どちらかが子をみて、1人だけ買い物に行く)
・通販を利用する
・オフピーク(午前中とか、土曜日)を選ぶ
人が多い時期や時間帯を避けています。
年末年始は1年で一番忙しい
ショッピングセンターに行ったら駐車場が満車で停められない…ということが多いと思いますが、12月の土日は、本当に混みます。
クリスマスプレゼントや年末年始のお土産など、商品単価が高く客単価が上がりやすいのもありますが、客数が爆発的に増えます。7-8月頃の倍の客数です。
具体的に言えば、12/23~12/31にかけてが最も混み合います。
私が勤めていた頃は、1年のうちで一番、客数が多いのは大みそか。次は元旦でした。
駐車場だけでなく、店舗も、通路も、トイレも、人でごった返す。
「木を隠すには森」と言いますが、人が多い時期や場所だからこそ、死角が増えるとも思います。
ピークタイムはいつなの?
土曜日より日曜日が混みます。
店舗のピークタイム(レジ通過客数が最大になる時間帯)は
1番は14~18時。
次が11~12時(お昼前)。
都心や駅前だと帰宅時間あたり(19~20時くらい)にもう一度ピークが来ますが、休みの日だとこの2つの時間帯がピーク。
1番避けたいのは、15~17時の2時間です。お客様が多すぎて、店員の記憶は飛びます。
悪い人はこちらの隙を突くので、一番忙しい時間帯を狙う気がしています。
店員は足りてない
年末やピークタイムは「店員に余裕がない」点は、認識しておいた方が良いかも知れません。
夏ごろから計画的に採用・育成したり、平日にしか出れない主婦アルバイトさんに頼み込んだり、派遣社員を要請したり、駐車場警備の警備員を増員したりしてますが、店のスタッフ全員で一致協力しても回りません。
私は12/22~1/3まで10日連続で朝7時に出社し、夜23時まで勤務してました(これは店舗やスタッフの状況にもよりますが)。
現実的に、年末年始は主婦アルバイトさんは家の事が忙しいし、学生さんも帰省するので人手は不足しやすい。
店舗の人件費は限られており、忙しいからと必要なだけ投入できる訳でもありません。
残念ながら、お客様一人一人にまで目を配る余裕はありません。レジやら掃除やら商品補充やら、ギリギリの人数で売場を回すだけで精一杯なのです。なので混んでいる売り場で「店員が子どもに目を配る」は無理だと思った方が無難です。
また、小売店は女性スタッフの方が多くて「複数の男性で」対応するのが難しいです。
2度の誘拐未遂の際は、1度目は私と男性スタッフの2名で対応。2度目は私と女性アルバイトの2名で対応。
犯人を捕まえる以前に、一緒に迷子を探すことも難しい状況も多いと思います。
まとめ
我ながら、ほわんとした対策ですが…。
店舗は店休日を作り、余裕あるスタッフ配置を行う。
周りの人たちは、余裕を持って、子どもを見守る。
子連れの親は、余裕を持ってお店に訪れ、自分の子どもだけはちゃんとみる。
…くらいだと、責任が親に集中しなくて良いのですが。
店舗にいた人間としては「年末年始くらい、ゆっくり家族で過ごせばいいのに」と思っていました。
経営者に考えてほしいとも思うけど、1年で一番売上が高いのは、大みそか。次が元日なんですよ。自分が経営者だったとして「休む」という英断が下せるとは思いません。
資本主義社会では、お金が投票用紙のような働きをしています。24時間365日を当然にすると、誰かが家族と過ごす時間を奪っている事実は頭に置いておいてほしいです。
育児をしていると「気をつけろ」と言うことが多いので、あまり気をつけろ!て情報を増やしたくはないのですが…(=_=;
2014年は2月に神奈川県相模原市、7月に岡山県倉敷市、と2回も女児(5年生)の誘拐事件が発生しています。(これ以外にも広島で塾帰りの女児がバッグに入れられたとかあった気が…)
子育てしていると「物事に正解などない」「過ぎたことだから、結果として正解となったのだ」ということが分かります。
こういった話にも正解はありません。色々な知識を得て、自分で考えて、夫婦や家族で相談しながら、「我が家のルール」を作ってください。
【関連】この記事も読むとよいかも?
ルール作ろうと軽く話してみたら、旦那さんとの認識の違いが大きすぎて、愕然としました。
娘2人の親だけど、考えたこともないようです。男性はそういうものだと割り切って、少しづつでも現実を見てもらわないとです…orz
子育て中のお父さんによるブログ記事。私のツイートのきっかけの一つとなった記事です。
●子供を性犯罪から守るということについて。幼稚園児の輪に入っていく高校生の話。(日なたと木陰)
こかげさんの記事を受けて書かれた文章。光市のような事件もあったのだし、通販の受け取り方について考えようかな、と思いました。
●犯罪を行う意思の有無は判断できないので、犯罪を遂行する能力の有無で判断する
ちゅんこさんのベビーハーネスの話。子どもの迷子防止策としても使っているとのこと。
●ベビー用ハーネス使ってますが、なにか?
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2017/8/10追記:
しまさんの漫画に関連してツイートしたところ、反響が大きかったのでTogetterまとめを作成しました。
夏場は、公園・お祭り・ショッピングセンターなどでの誘拐だけでなく、プールでの盗撮などにもご注意ください。
●店員として体験した誘拐未遂事件と、それに対する感想まとめ
【注意喚起】変態アカが「そろそろ幼児がプールに入って親が写真を投稿する時期。全裸写真とかハアハアしながら全裸待機ッ!!」に盛り上がっているそうです。
可愛い我が子の写真が悪用されないように、特に鍵アカでない方はお気を付け下さい。
彼等は顔がスタンプされていても気にしないそうです。— みゆ (@miyu_akari) 2016年7月2日