お知らせです。
昨日ブログに書いた『アホ男子かるた』の件ですが、出版社から出版の無期延期が発表されました。
深夜に告知が出たこともあり、本当に「告知が出ただけ」の状態です。
2月3日発売予定で、この木~金に予定されていた発送作業を中止し、迷惑をかけた問屋や書店に連絡・謝罪する状況を考えると、手が回らない部分があっても仕方ないと思います。
今回の教訓
Twitterで色々な人の意見を読みながら気付いたことですが、出版物の著作権問題、炎上した案件の情報はあるけれど、成功事例は拾いにくいように感じました。
炎上案件でいうと、古くは「電車男」や「のまねこ」(両方2ちゃんねる発)。原作者の著作権を無視した事例だと漫画『キャンディキャンディ』裁判。
最近だと昆虫の交尾図鑑とか。彩色された戦艦の写真を個人のHPから転載、といった話もありました。
失敗から学べることも多々ありますが、正攻法が見つからないのもどうか、と思います。
もうちょっと調べる必要がありますが、今回知ったものだけでも記しておきたいと思います。
Tweetで知ったのは2つの事例。
1)Twitterの発言者1人1人に確認して出版した例
色々な人がTwitterで「出版社から確認をもらった」と話していていました。
具体的な例として挙げられていたのが、東日本大震災のチャリティーブック『YELL!』。
これ、2011年4月発行です。震災から1カ月で発行にまで至っています。
チャリティーという趣旨や当時の状況を考えると、即、快諾する方が多かったとも思いますが、発言者の確認をとった上で発行されています。
2)独自のアカウント、タグを作って募集した例
出版社がアカウントとハッシュタグを作成。
Twitterユーザーからの投稿を募集し、出版されたのが『男の子あるある』という本。
Twitterアカウントは @aruaru_boys 。
ハッシュタグは #育児本男の子あるある 。
アカウントは2012年6月に作られ、2012年6月18日~7月15日まで「男の子あるあるネタ」を募集。
発行は10月24日。
クレジットは 篠原菊紀(著), 男の子あるある委員会(著)
篠原菊紀さんは脳科学者です。
男の子あるある委員会は、Twitterから投稿したり応援したお母さん達の総称のようです。
イラストでカツヤマケイコさんが参加されていますが、表に表記はありません。
Twitterのハッシュタグ「#男子あるある」は元々あるもので、眼鏡男子あるある、男子学生あるあるなど多岐に渡っています。
これについて「1番最初に考えた誰か」を特定するのは難しいでしょう。
小学館の編集さんは
1)対象を「男の子」に絞った
2)ハッシュタグに「育児本」とつけてさ差別化
3)最初から出版目的であることを伝えた
…等の配慮により、「Twitter上で(本に掲載する)投稿を募集した」状態にしたようです。
企画自体はもっと前から進んでいたでしょうが、6月行動開始→10月出版は可能のようです。
今回の件はどうすればよかったのだろう?
1)の方法でも2)の方法でも良かったと思うんですよね。
「あほ男子かるた」は「男の子あるある」と比べて文字数も少なく、作品として出来上がっているので、『男の子あるある』のように投稿を募集したら「採用された投稿がオリジナルかどうかの確認」に手間どる気がしますが。
とりあえずは当時のタイムラインを知る人(タグを考えたスズコさんやTogetterのまとめ主さん)に相談して意見を聞けばよかったでしょうに。
そうしたら、他社で進行中の企画と協力して盛り上げることも可能だったはず。
自分たちがオリジナルであるように嘘をついたことについては、なんというか、擁護できない。
出版されないことで最悪の事態は回避できたけれど、関わった人、誰も嫌な気持ちにしかならない。
なんとも嫌な気分になる一件でした。