2014~2016年発売

【WEB漫画】『デキバカ』(ひろせみほ)感想~アスペルガー症候群の母と子の日常~

投稿日:2014年7月8日 更新日:

Kindleで発売されている育児漫画を調べていて見つけたWEB漫画をご紹介。アスペルガー症候群の息子さん、ボーダーの娘さんとの日常を描いた漫画です。

WEBで14話が無料公開されています。
詳しくは後述しますが、サイトの設計がちょっぴり不親切でして。コツを知らないとパソコンからもスマホからも読みにくいです(大したことではないのですが、気付くかどうかで雲泥の差があるのです…)。

再読する際、Kindle版(16話収録・64ページ・300円)を買いました。紙の本はなく、電子書籍はKindleだけです。
漫画自体は丁寧だし絵柄もかわいいし、読んでいて勉強になるので、300円分の価値は十分あると思います。

「でこぼこ生活研究所」にて14話、無料公開中

amazon ★★★★★(5.0) ※レビュー2件

【内容紹介】

「デキバカ」とは
”デキるのにバカなやつ”のこと。「あいつデキバカじゃけん、しょうがねえなあ~」 のように使う。たぶん方言。
あまり品の良い言い方ではないけれど、アスペという名前が知られる前から、”できるところとできないところの差が大きい人”がコミュニティの中にいて、それなりにやっていて、愛着をもって呼ばれていたんだなぁ、ってことを感じさせてくれる言葉。 そんな愛すべき「デキバカ」の日常を描ければと思っています。

発達障害総合情報ポータル「でこぼこ生活研究所」で連載されていた漫画です。
※サイトは現在更新停止中。2014年秋に再開予定。
dekoboko

【感想】

アスペルガー症候群の子どもを描いた、と説明すると身構えてしまいそうですが、絵柄がかわいらしく、表情も豊かなので「かわいいな~」と思っている間に読めてしまいます。
↓のコマみたいに、真面目な話が進行する端っこで妹ちゃんが動き回っていたり…。
dekibaka

1回4ページと短いのに話のまとまりが良く、作者の気持ちや大変さは描かれているけれど「苦労の押しつけ」感は皆無。
読後感のよい育児漫画だと思います。

漫画の構成

サイトで公開しているのは1話4ページ×全14話です。
Kindleでは2話加わり、全16話を収録。
デ・キ・バ・カ(ひろせみほ)
dekibaka3

作者のプロフィール

漫画家・ひろせみほさんは漫画を描く廣瀬美帆さんと、原作担当の寺嶋克紀さんのPNです。成人向け漫画を中心に活動中。
本作「デキバカ」では母親=廣瀬さん、父親=寺嶋さんです。

母・廣瀬さん(アスペルガー症候群)、父・寺嶋さん、アスペルガー症候群の息子さん(小学6年生)、ボーダーの娘さん(6歳違い、年長さんかな?)の4人家族。
dekibaka4

この漫画の特徴

育児漫画やブログについて調べていると発達障害、アスペルガー、ADHD、ボーダー等の言葉に出会うことが多々あります。
私は、それらがどういう状態を指すのか?どう違うのか?等は全くわかっていません。

触覚過敏や聴覚過敏のエピソードなどを読んで、なるほどそういう状態なのか…と思えること。

「神経が過敏らしい」とは聞いていて、意味としては理解できますが、実際にどんな感じなのか?はイメージしにくくて。

第3~4回で描かれた「寝ない子24時」の話はそうなのか…!と思いました。
私も「夜寝ない」と聞くと ↓で描かれたような親の姿を想像しちゃいますね…。
dekibaka6

印象的だったのは第5回「アスペルガーの診断」。
廣瀬さんが息子さんを連れ、相談に行っていたのは2000年初めの頃。当時は「アスペルガー症候群」への理解も薄かったようですね…。
(2007年に特別支援教育制度がスタートし、大きく状況が改善したようです。そのことも描かれています)

読みながら、自分も2000年当時の相談員さんとそう変わらない気がして。

例えば娘が学校に通うようになって、アスペルガー症候群のお子さんを目の当たりにした時、短絡的に親の躾のせいにしてしまいそうだな…と思いました。
自分が「わかっていないこと」「反射的にレッテルを貼っていること」に気付かされます。反省。
dekibaka2

気になるところ

スマホ/パソコンで読むときは、4ページ目(最終ページ)下に表示される「目次」をクリックして移動しましょう。
※「目次」は4ページ目だけに表示されます。
※「TOPへ戻る」をクリックすると、「でこぼこ生活研究所」のTOPページに戻ります。

本当に大したことないのですが、私、「目次」というボタンに気付けなくて。
いちいちサイトTOPページから連載ページに下りたり、「戻る」で戻ったりしていました…orz
kotsu

amazonレビューにもありますが、題名に抵抗を感じる人もいそう。
大阪の人と東京の人で「アホ」のニュアンスが違うのと同じで、人によって感じ方が違うから何ともいえませんが、私は「抵抗感はないけど、損している感じがする題名だな~」と思います。
漫画の出来が良いこともあり、題名が変わった方が紹介する(シェアする)人が増える気がする。

まとめ

かわいらしい絵柄で表情も豊かでおもしろかったです。

私はKindleで16話まで読みましたが、連載途中でサイトの更新が止まったせいか?中途半端な感じで終わっていたのが残念。
Kindle版はiPhone4Sでも読みやすかったです。

続きが気になるので、続編にも期待したいです。

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