せっかく紹介するのだし、悪い感想は書かないようにしているのですが、この本については物足りなさが強く、人に薦めたいとは思いません。すみません。
同じ作者の育児漫画を購入するのであれば、『ツレはパパ〜年生』シリーズを買った方がいいと思います。文庫版もでていますし。
(1年生はおもしろいと思う。2年生以降はあまりお勧めしないかな…)
<1巻>
息子・ちーと(千歳)君、誕生~8か月まで
●amazonで試読できます
amazon ★★★(2.5)
楽天 ★★★★(4.43)
<2巻>
息子・ちーと(千歳)くん、8か月~1歳6か月まで
●amazonで試読できます
【内容紹介】
結婚13年めの夫婦のもとに、突然やってきた新しい家族「ちーと君」。
かわいくて、うれしくて、そして「たいへん!」な育児生活を1コマ&エッセイに。
【感想】
amazonレビューも点数が低いですが、多分、自分が
1)細川貂々さんの作品を追っている人(『びっくり妊娠なんとか出産』や『ツレはパパ〜年生』を購入している)
2)育児漫画をいくつか読んでいる。気に入った作品がある。
…という人間なので、作者の過去作や他の育児漫画と比較して物足りなさを感じたり、「これは他の本で掘り下げれば…?」と思ってしまいます。
細川貂々さんのファンの方や、育児漫画をあまり読んだことがない方なら、不満も感じず読めると思います。
人に薦めないと書きつつも、好きなネタはあります。
この話とか。私も言われたことあります。
今は、3人に1人が未婚の時代です。私の友達にも独身の人はいます。出会いがないのではなく、独身で生きることを選んでいる人も多い。
でも、親としては色々考えちゃうんでしょうね。子供の人生だと思う気持ちと、孫が欲しいという気持ちと、子孫を残せない自分を責める気持ちと。
爪の傷が次の日には治る、という話も。
新生児の回復力は、私もドラゴンボールの孫悟空とか、カリン塔の仙豆の話を思い浮かべるくらい、すごいと感じました。
細胞分裂のスピードに圧倒されます…。
絵で描かれたちーとくんの、所作のかわいさも感じます。
物足りなさの原因は、
1)1コマ漫画を集めていること
2)『ツレはパパ〜年生』シリーズとネタが被っていること
によります。
構成として仕方ないと思いますが、1Pに1コマ漫画が一つ。
時に、1Pに二つ。
同じ文芸春秋で発行している伊藤理佐さんの『おんなの窓』(1コマ漫画が主で構成されています)を読んでいても思うのです。1コマ漫画の単行本はボリューム不足だと…。
『おんなの窓』は4P漫画を挟んでいるので、マシなのですが。
面白いんですよ。好きなんですよ。でもね、1000円は高くないかしら…?
金勘定してしまう自分を「さもしい」とも思うんですが、ページ数が少ないのに値段が高いのがひっかかってしまって…。
買って損した!と思わせたら商売は続かないと思うんですよね…
(今、自分が専業主婦で収入ないから、漫画は厳選して買っているせいもある。産む前というか働いている時期はこんなに感じなかった)。
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1巻の描き下ろし部分の妊娠中に準備した物は、悪くないけど『びっくり妊娠なんとか出産』に収録して欲しかったなあ。
私が神経質なだけかも知れませんが、今回、感想を描く為に『ツレはパパ〜年生』シリーズと一緒に読んだら、ツレさんや貂々さんが苛立っている様子が散見されて。
育児は大変だと自分も日々痛感していますが、ちょっと目に余るかなあ…。
作者が自分や夫(ツレさん)の苛立ちに気付いていて、何かアクションをとって、苛立ちが解消されている(解消方法についての提案がなされる)なら良いのですが、特にないし、苛立っている人については読んでいて不愉快に感じる為、現在子育てで苛立っている最中の自分にもブーメランのように跳ね返り、うーん、となってしまいます。
作者の視点というか、拾うネタ自体は悪くないのだけれど、この本は色々なことが雑に扱われている感じがして、自分は苦手です。
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感想を書いていて気づいたのですが、私は作者が息子の千歳くんのことを、を「ちーとくん」と呼ぶことに対する違和感が強くて、それによって嫌悪感が増しているかもしれません。
(ゲームの世界での)チートは、プログラムをいじって、製作者のルールを無視したキャラクターを生み出すことです(例えば、バトルをして経験値を貯めるといった行為を行わずにLV99のキャラクターを作っるとか…なんというか、ズルして自分だけ楽しんで周りを無視して遊んでいるカッコ悪い人、てイメージです)。
ズルをしている困ったちゃんを表す言葉が愛称なのは…なあ…。
まあ、チートなんて、普通は聞かない言葉でしょうから、たまたまかぶってしまったのでしょうけれど(うちは旦那さんがゲームプランナーとして働いている為、ゲーム系のネットスラングにも詳しくなっています)、気になりました