息子を描いた漫画が少ないよな~という話題が続いたので、2人の息子を描いた漫画をご紹介。
幼い頃、雑誌「りぼん」を読んでいた人なら分かるかもしれませんが、作者の柊あおいさんは『星の瞳のシルエット』や『耳をすませば』の作者さんです。
全178ページ、2001年発売で、現在は絶版しています。古本をお探しください。
amazon ★★★★(3.8) ※レビュー4件
【内容紹介】
アニメ映画『耳をすませば』の作者・柊あおいがわが子の子育てを描いた実録マンガ!
「反抗期」「着替え」「こだわり」「トイレトレーニング」「水ぼうそう」etc.子育て中のママ&パパ、プレママ必見のエピソード満載。
【感想】
作者のプロフィール
作者の柊あおいさんは、26歳で結婚。
漫画家としての代表作は『星の瞳のシルエット』『銀色のハーモニー』『耳をすませば』など。37歳の私は懐かしさで胸がいっぱいです。
30歳で長男・たけるくん、32歳で次男・さとるくん、35歳?で長女・りんかちゃんを出産。3人兄妹です。
漫画の構成
3人兄妹のうち、次男・さとるくん、長男・たけるくんの育児について、1話8ページ×19話が収録されています。
先に気になる点を挙げておくと、(表紙を見れば分かる話ですが)子どもが子どもっぽくないので、絵を見てかわい~…といった作品ではありません。
読んでいくと気にならなくなりますが、絵ではなくエピソードで読ませるタイプの漫画です。
好きなところ
2人の息子さん、それぞれの育児体験について描いているところ。男児だ、兄弟だといっても、全然違うんだな~と想いながら読みました。
先に描かれる次男・さとるくんは几帳面で細かく、こだわりが強い性格。自分がやりたいと思ったことを、自分で考えた手順でやらないと「ちがう!」と止められ、「さとるがやるの!!」といって聞かない。
娘2人を育てている自分としてはさとるくんでも大変そうに見えるのですが、作者が「さとる以上に大変だった」と語る長男・たけるくん。物欲が強く、想いが通らないと駄々をこねる…。
母親である柊さんは、息子の「自分でやりたい気持ち」を尊重してみたり、根気強く言って聞かせたり、厳しく対応したりと試行錯誤。
2~3歳くらいのイヤイヤ期や子どものこだわりが強くなる時期の育児やトイレトレーニングなどについて描かれており、子どもへの言葉がけや躾に戸惑ったり、子どもに付き合うのが面倒臭いと思う作者の気持ちに共感しました。
柊あおいさんが活躍していた「りぼん」を読んでいた私としては、「漫画家の仕事と育児の両立」についてのエピソードを大変そうだな…と思いながら読みました。今は漫画家さん自身が妊娠・出産などプライベートな部分について明かすことも増えましたが、昔は漫画家個人の情報は明かされることはありませんでしたし。
それにしても、妊娠・出産については考慮してはもらえなかったんだな~。
巻末には『ポニーテール白書』や『空色のメロディ』『姫ちゃんのリボン』でお馴染みの水沢めぐみ先生との対談、長谷川潤さんによる描き下ろし漫画が収録されていて、りぼんっ娘としては1冊で二度も三度もおいしいのでありました。
まとめ
古い作品ではありますが、娘が2歳のイヤイヤ期に読んだので余計に心に浸みた作品です。
柊あおいさんだけでなく、雑誌「りぼん」連載作家さんの作品を読み直したいなあ。『ときめきトゥナイト』の池野恋さんとか、『おとうさんは心配性』の岡田あーみんさんとか。
今でも追っている元りぼん作家って谷川史子さんだけだなあ。矢沢あいさんの『NANA』も読んでいたのですけど、連載止まってから時間が経ってしまって記憶がおぼろげ…。
年齢が10才くらい違うと、看板作家が種村有菜さんになるのでしょうか?
「なかよし」といえば!あさぎり夕先生なのだけど、近所のお母さん方が「セーラームーン」や「レイアース」で盛り上がっていて、女児雑誌における5歳や10歳の差って大きいなあ…と感じたりもします。