大田垣晴子さんの作品なので画文調エッセイと呼ぶべきなのですが。
タイトルの通り、40歳での妊娠・出産体験を描いた本です。
大田垣晴子さんの他の単行本を知っている人が読むと「あれれ?どうしちゃったの?」と思うような絵です。
なんというか、ボールペンでざざっと描いたような荒い絵。
私も最初、本屋で立ち読みした時は驚きました。
それもそのはず。これは元々出版の予定はなく、個人的な絵日記として描いていた「妊娠日記」なのです。
絵は荒いですが、読ませること・売ることを前提にしていないからこそ、起きた出来事を包み隠さず描いてあります。
結果として「40歳の女性が妊娠した時」がリアルに感じられる1冊になっています。
amazon ★★★★(3.5)
楽天 ★★★★(4.33)
※2013年4月22日の点数です。
【内容紹介】
セイコ、40にして出産。妊娠中にリアルタイムで綴ったプライベートのセキララ絵日記を公開。
【感想】
大田垣晴子さんは1969年生まれ。
2008年・38歳で8歳年下の男性(オオモリくん)と結婚、2010年・40歳で女の子を出産。
最初にも書きましたが、元々出版の予定はなく、個人的に描いていた妊娠中の絵日記を書籍化したものです。
その為、絵も文もボールペンで描いたようなざっくりした線です。
更に、カラーでなく、白黒です。
流産についてや(トイレで赤い塊をぷにぷにと触り、ぽちゃん、と落とす描写にはびくっとさせられました…)、妊娠中のトラブルや体調不良等々についても具体的に描いてあり、「40歳で妊娠した現実」が垣間見えるような気がしました。
(流産がわかったとき)病院では泣かなかったけど、旦那さん(オオモリクン)に会ったら涙がでた、てところにもらい泣き…(涙腺ゆるいんで…)
単行本用の描き下ろしページで、高齢出産のリスクについて解説がついています。
クアトロテストについての説明が分かりやすかったです。
大田垣さんも逆子だったので、逆子についても。
子供が生まれた時の一枚絵は美しかったなあ。
それまでの日記のライブ感とのギャップに、ドキッとしました。
シンプルなんですが、色々な感情が浮かんできて、思わず涙。涙腺弱いんです…。
これはあとがきの絵。ちょっとつり目の娘さん。かわいい。
娘さんとのその後の様子は、ブログに描かれています。
娘さんのお名前は八色(やいろ)ちゃん。
作中で旦那様(オオモリくん)がお腹の子供を「俺のやいやい~」と呼んでいたから、その音を生かす(残す)形でつけられたのでしょうか。
名前って、色々な思いを集めてつけられるものなんだなあ、と、感じました。
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【作者情報】
■出版記念インタビュー
■ご本人のブログ(最近は育児日記風です)