表紙の印象から、あまり期待しないで読んだら面白くてびっくり。続編も購入しました。
全編を通じてのんびり~ほのぼの~としており、穏やかな気持ちで読むことができます。
第1子の妊娠発覚から出産、育児の様子が描かれていますが、妊娠中に大きなトラブルもなく(出産前に早産気味で入院してますが)、生まれてからも手のかからない子だったからか、苦労話や悩みはほとんど描かれていません。
最初は自費出版で描いていたこともあり、のんびりとした雰囲気で、他の作品ではあまり見ないネタも描かれています。
【内容紹介】
主人公、漫画家の両々ちゃんと、そのご主人、うさぎさんが、妊娠、出産、子育てを通して、描かれたコミック(漫画)ストーリー。
【感想】
『そこぬけRPG』が代表作で、漫画家になる前は『ぷよぷよ』などを生み出した「コンパイル」に勤務されていた佐藤両々さんが描く妊娠・出産・育児漫画です。
元々は自費出版で発行していた作品を単行本として出版したものです。
家族は両々さん(母)、うさぎさん(父)、長女・ひー子ちゃんの3人。
続編では次女も誕生していますが、この時点では3人家族です。
出産時の年齢は公表されていませんが、2002年に同人イベントに初参加した・初めて同人誌を出したのは産後とのことなので、第一子は2001~2002年前後、24~25歳くらいで出産されたようです。
前半は妊娠・出産が描かれています。
後半はひー子ちゃんの育児の様子。2歳すぎ(3歳になるちょっと前?)までが描かれています。
表紙を見てもピンと来ないかもしれませんが、漫画は棒人間のような絵で描かれています。
私はネット通販を利用して購入したのですが、まさか中の漫画全て、人間で構成されていると思ってなかったので、中を見てびっくりしました。
ただ、読み進めるうちに違和感はなくなります。
特に長女・ひー子ちゃんが生まれて、その様子が描かれるようになると、シンプルな絵柄に子供の動きや表情がぎゅぎゅっとデフォルメされていて感心します。
続編にあたる『続・つれづれなるママ本』には、棒人間ではなく丁寧に仕上げられた4コマ漫画が掲載されています。
でも、慣れてしまった私は「棒人間の絵の方がよいなあ…」と思うのです。
むしろ棒人間だからこそ、自分の娘と重ねて読めて、「あーうちの娘もやるわ~こういうこと~」と思えます。
おっぱい系のネタ、「してやったりの顔」はうちの娘もやってました。そしてこんな顔だったなあ(どや顔)…。
娘がいる方が楽しく読めると思いますので、娘を持つお母さん、お父さんにおススメしたいです。
独身の方は、絵のシンプルさが気にならなければ楽しめると思いますが、淡々としている分、物足りないかもしれません。
妊娠編は、1カ月ごとに4Pの漫画を描いてあり、つわりのことやマタニティ服について、名前付けや胎教の他、下着泥棒に遭遇した話(怖すぎる)などが描かれています。
どうでもいい話ですが、私も妊娠中は妙に小豆が食べたくて、豆から煮て餡子をしゃもじですくって食べたい…と毎日のように思っていた時期がありました。
レシピに記載されている砂糖の量に恐れおののき、大福を2日に1個程度に抑えていました。
小豆が食べたくなるのはミネラル豊富だからかな…。
順調だと思っていたら、里帰りして出産予定の病院で検診を受けたら管理入院に。
しかし、病院のごはんが大変おいしく、お腹いっぱい食べても体重が減るという素晴らしいものだったそうです…!
うらやましい!9か月なのに体重が減るなんて…(お腹いっぱい食べてるのもうらやましい)。
そして40週を超え、帝王切開を決断。
無事、長女・ひー子ちゃんが誕生します。
ひー子ちゃんの育児漫画部分はかわいくて面白いのですが、娘溺愛な父・うさぎさんもかわいくて面白いですね…!
お父ちゃんダイスキなひー子ちゃんが、寝ぼけてドアまでお迎えに行ったり、プロレスラーの真似をするところとかも、かわいくてよかったです。
個人的には『とーちゃんかーちゃんゴキゲン姉妹』と並んで、隠れた名作!もっと読んでほしい作品だと思います。
残念ながら書店で売っているのを見たことがないのですが、7月に3巻が出るのでもうちょっと知られるといいなあ。
(追記)続・続を買って感想を書きました。
●「続・続つれづれなるママ本」(佐藤両々)感想