1998年発行。残念ながら、絶版しております。
私はこの本を図書館で手にとりました。
「はいからさんが通る」で有名な大和和紀先生。
学生時代に「あさきゆめみし」で源氏物語に触れたな~という方も多いのではないでしょうか。
この本、中身は漫画ではなく、イラスト付きの文章エッセイです。
かわいいイラストとテンポの良い文章ですらすら読めます。内容もさっぱりしていて、年の功のようなものを感じます。
amazon ★★★★★(5.0)※レビュー2件
楽天 ★★★★★(5.0)※レビュー1件
【内容紹介】
子育てはいつだってドラマチック!
あの『はいからさんが通る』の大和和紀が急転直下母になり、漫画に育児にフル回転!
ぶっつけ本番!臨場感あふれる子育て絵日記
子育ては誰もが素人。育児のドタバタを漫画家の鋭く、ユニークな観察眼と母親の温かな眼差しでとらえたイラスト&エッセイ。笑える、腑に落ちる子育てコピーつき
【感想】
この本の著者紹介によると、1991年に結婚、1994年に娘・菫ちゃんを出産とあります。
1948年3月生まれらしいので、菫ちゃんが大和さんの誕生日前に産まれていれば45歳での出産、誕生日以降であれば46歳での出産、となります。
菫ちゃんが2~3歳くらいの時期のエピソードを中心に構成されています。
既に絶版となっているのですが、「年を重ねてからの妊娠・出産」をポジティブに捉えさせてくれる良作です。
1テーマが4Pで構成されており、菫ちゃんを妊娠・出産したときのこと、公園デビュー、保育園のこと、子供服のこと、子連れの旅行、産後の体型戻し、トイレトレーニングなどについて書かれています。
文章エッセイだと、読むのが億劫になる方もいるかもしれませんが、大和さんの文章は読みやすいです。
2回の流産を経て、大和さんが菫ちゃんを産んだのは32週のとき。1102gの超未熟児。
1歳8か月の時点で身長80㎝、体重9㎏。
1歳半から2~3か月に1回、未熟児発達外来に通っていたらしい。
高齢出産の苦労や愚痴は書かれていませんが、医師の言葉に気を揉むことやカチンとくることが多々あったのでしょう。
歯磨きの講習会で出会った初老の歯医者の対応に対して、こんな感想を書いています。
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聞きながら次第にむかついてきたのは、オジさん医者の言外にちらつく「この馬鹿っ母は」とか、「近頃の親はまったく…」というニュアンスだった。
近頃の…だが、このトウの立ったハハは怒るゾ。
(中略)
育児ビギナーの私が言うのもナンだが、子育ては目先のことも大事だが、それより20年、30年たってその子がどんな大人になっているかが問題なのではないか。
歩くのが何か月早くても遅くても、言葉やおむつはずしが1年やそこら遅くたって、二十歳になれば笑いバナシではないか。
(はいからちゃんがやってきた!P7-P8)