【記録】とある新人漫画家関連

【漫画家さん向け】単行本を拡販する方法まとめ①~現代人はどこでマンガを買うのか?

投稿日:2018年12月9日 更新日:

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前提を書くのを忘れていました。

単行本を売ることを考えた時、大切なのは「どこに重点を置くか」です。
事例を見ると、色々な行動を起こしてみたいと感じますが、労力や時間には限りがあります。

何も考えずに欲張った場合、コスト(労働時間)だけを費やしただけで終わり、達成感や自己満足はあっても、結果(売上という数字)には繋がりません。

優先順位を決め、自分の作品やターゲット層に合った部分に注力しましょう。

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現代人は、本(漫画)をどこで買っているか?

販促を考える前に、まずは「市場(マーケット)」の状況を確認します。
現在、人はどこで「本(書籍全般)」を買うのか?をみてみましょう。

先に結論

長くなるので結論を先に書くと、

・リアル書店の売上はオンライン書店の5倍
・割合(シェア)は全体の1割程度だが、オンライン書店の売上は年々増加している ※金額ベース
・オンライン書店を利用している人の割合は本を買う人の4割程度 ※人数ベース
・オンライン書店で漫画を買う人の割合は他の書籍よりも高い
・初版部数が少ない作品はオンライン書店や電子書籍の購入を促した方が良いのでは?
・オンライン書店はAmazon、楽天ブックスの2つを押さえれば良い

…といったことになります。

それらの根拠となる数字を見ていきましょう。

リアル書店で買う?オンライン書店で買う?

今回利用するデータは3つです。
尚、漫画ではなく本(書籍)全体の数字が多いです。「漫画」と明記していない場合は「本(書籍)」と捉えてください。

出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる(最新)(2017年・ガベージニュース)
書籍の購入場所の上位は「街中の書店、オンライン書店、デパートなど商業施設の書店」(2018年・MMD研究所)
「ジャドマ通販研究所」の調査(2014年)

リアル書店、オンライン書店の売上規模

出版物の売り場毎の販売額推移をグラフ化してみる(最新)」(ガベージニュース)を参照します。

この数字は売上高(金額)ベースです。まとめると、

・リアル書店の売上高は年々下がっている
・オンライン書店の売上高は年々増えている
・それでもリアル書店はオンライン書店の5倍の売上がある

販売ルート別推定出版物販売額(億円)(2013-2017年度)

2017年度を見ると、リアル書店1兆250億円、オンライン書店1988億円です。リアル書店はオンライン書店の5倍の売上があります。

Amazon、楽天ブックスなどオンライン書店の売上の伸びとリアル書店の売上の減少を比較すると、Amazonなどのネット通販店が台頭した影響でリアル書店の売上が下がったというより、他の要因(例えば、書店が閉店して90年代2万店あったのが1万店以下まで減少した、商品点数が増え過ぎて買いにくくなった、電子書籍で買うようになった、スマホで済むので本を買う必要がない、等)で売上が下がったように見えます。

そもそもリアル書店は粗利益率が低く、家賃や人件費を考えると利益が出ない構造です。「Amazonで買うようになったから」書店が潰れたのではなく、粗利が低いから、万引きが増えたから、閉店したと考えた方が良いような。
日本の書店がどんどん潰れていく本当の理由

販売ルート別推定出版物販売額(全体比)(2013-2017年度)

売上は下がっていますが、リアル書店の割合(シェア)は62%くらいで一定です。
コンビニの割合(シェア)が下がった分をオンライン書店が取っている感じではありますが、リアル書店の割合(シェア)を食いつぶすようには見えません。

一旦まとめ

これらのグラフで重要な点は、

・リアル書店の売上高はオンライン書店の売上の5倍はある
・シェアや伸び率は少ないが、オンライン書店の売上は年々伸びている

漫画については書店で陳列してしっかり販売をしてもらうと、売上も増加すると思います。

しかし、新人漫画家による作品や新作漫画については初版部数も少ないので、オンライン書店や電子書籍の売上で実績を作る(結果を出していく)必要を感じます。

オンライン書店の利用に関する調査

MMD研究所が、2018年6月に行った「オンライン書店の利用に関する調査」があります。
対象は15歳~69歳の男女5,000人。

以降の記事はこの調査から数字やグラフを引用します。
書籍の購入場所の上位は「街中の書店、オンライン書店、デパートなど商業施設の書店」

書籍を購入したことがある場所

書籍を購入したことがある場所を聞いたところ(複数回答可)、「街中などの書店」が47.7%と最も多く、次いで「オンライン書店で現物の本の購入」が35.1%、「デパートなど商業施設の中の書店」が32.5%となった。

「街中などの書店」で買った人が47.7%、「デパートなど商業施設の中の書店」が32.5%、「駅の中の書店」が22.0%…と、リアル書店を利用している人は多いですね。

「オンライン書店で現物の本の購入」が35.1%。約3割の人がネット通販を利用しています。
また、12.1%は電子書籍も買っています。

別のデータを見てみる

似たような調査に「ジャドマ通販研究所」の調査があります。
書店に関する調査は2014年に調査されたもの。具体的なデータは公表されていませんが、母数は715人と少なめですね(1000人は欲しいような…)。

過去1年に書籍を購入したと回答した715人に、利用したチャネルを質問したところ、“リアル書店”が約74%、“ネット通販 (電子書籍以外)”が約45%という結果でした。

過去1年に書籍を購入したチャネルは?

こちらの調査でもリアル書店の方が割合が高く、7割がリアル書店を利用しています。

40代が最もネット通販を利用し、ネット通販の比率が低い10代、70代でも3割以上が通販を利用しています。
(10代だとクレジットカードが作れない、70代だとクレジットカードと馴染みがないせいかなと…)

電子書籍は20代が最も多く、次いで30代。全体の約1割は電子書籍を購入した経験があります。

オンライン書店で買われる本の種類は?

こちらも「ジャドマ通販研究所」の調査です(2014年)。

コミックス(漫画)はネット通販の利用率が1位と、ライトノベルや小説に比べて割合が高いです。

さらに深堀すると、漫画はリアル書店よりオンライン書店で買う人の割合が高いようです。
「趣味の本」はフィギュアや鉄道、クラフト、アニメなどの専門誌だと思います。

「リアル書店」と「ネット書店」の利用実態――ネット書店の利用率で60代が10代を上回る(ITメディア)

漫画は「まとめ買い」や「作家名」で買われる傾向が高いようです。決め打ち、絶対買うものはネット通販で買うのかな?

私は「料理漫画目録」というブログも運営していますが、週末に10巻まとめ買いとか、同じようなジャンル、例えば農業高校を描いた漫画をまとめて買う…みたいな方はたしかにいらっしゃいます。
また、紙の単行本については、古本で全巻セットを買う方も多いです。電子書籍で全巻まとめ買い、もあります。

一旦まとめ

本を買う人はリアル書店に足を運ぶことが多いけれど、漫画に関してはリアル書店と同等程度には、オンライン書店を利用する人もいるようです。

訪問客数も売上高も多いのであれば、書店で販売した方が売上は伸びそうですが、初版部数が少ない新人漫画家の場合はオンライン書店で人気を得るなり、何らかの結果を出さないと増刷もされません。

懸念点として挙げておくと。
新人作家は初版部数も少ないので、ネットでPRし、オンライン書店での拡販を計りたいところですが、購入者(読者)は新作や知らない新人作家の作品は、オンライン書店ではなくリアル書店の店頭で探す・出会おうとする方が多いようです。

これらを総合して考えると、オンライン書店で新人の単行本を買ってもらうのは、思うよりハードルが高いことなのかも知れません。購入を訴求する何らかの工夫が必要です。

オンライン書店の中で利用者が多いのは?

「オンライン書店が重要なのは分かった。では何処を押さえれば良い?」を考察してみます。
結論で言えばAmazonと楽天ブックスです。楽天ブックス、意外と大事。

それでは、数字で見てみましょう。

Amazon、楽天市場のユーザー数は4000万人超

まずは、リアル書店に限らず「オンライン店舗の利用状況」を見てみます。
元データはこちらです。2018年6月の調査です。
ニールセンデジタル「18-64歳の人口の56%が「アマゾン」、「楽天市場」を利用」

2018年6月時点のPCとスマートフォンの重複を除いた「トータルデジタル」でオンラインショッピングサービスの利用者数をみると、18-64歳では「アマゾン」が4,079万人(リーチ:56%)で1位となり、次いで、「楽天市場」がほぼ同数の4,028万人(56%)、3位は「Yahoo!ショッピング」で2,645万人(37%)となっていました。

Amazonと楽天市場は利用者数は約4000万人でほぼ同じくらい。他のサービスとの差は歴然としています。

オンライン書店ではどうか?

男性で最も多かったサービスは「Amazon」で78.9%、次いで「楽天ブックス」が61.1%、「Yahoo!ショッピング」が23.3%となった。
女性も男性同様に「Amazon」で76.0%、次いで「楽天ブックス」が60.2%、「Yahoo!ショッピング」が17.4%となった。

男女ともに8割近くがAmazonを利用、次が楽天ブックスで6割以上。3位はYahoo!ショッピングだけど2割以下。
Yahoo!ショッピングとAmazon ・楽天ブックスは2倍の差がついています。

その他、セブンイレブングループの「オムニ7(セブンネットショッピング)」大日本印刷株式会社運営の「honto」、TSUTAYAオンライン、紀伊国屋オンラインなど書店系のショップと続きます。

割合で考えると、Amazonと楽天ブックス以外を重視する必要は感じません。

とらのあなやメロンブックス

数字はありませんが、秋葉原や池袋で売れそうなオタク向け漫画やBLについては、とらのあなやメロンブックス、アニメイトで特典を付けて販売することもあります。

こういった作品は出版社や編集さんが売り方を分かっていると思うので省きます。

重視するオンライン書店は?

Amazonは最大手で、書店の店員も仕入れの参考にすると言われます。
オンライン書店を利用する人の8割近くが利用していますし、Amazonを中心に考えて良いと思います。

意外と固定客が多いのが楽天ブックスの6割です。
特に女性客の割合が高いので、女性向けの作品なら楽天も押さえたいところ。

オンライン書店はAmazon、楽天ブックスの2つを押さえ、他は気にしなくても良いかと思います。

オンライン書店を利用する理由

オンライン書店についてもう少し深堀りします。

上で「まとめ買い」や「知っている漫画家の作品」はオンライン通販で買う人が多いと分かりましたが、それ以外にフック(購入のきっかけ)となる要素はどんなものがあるでしょうか?

オンライン書店を利用する上で重要なポイント

オンライン書店を利用する上で重要なポイントを聞いたところ(複数回答可)、男性で最も多かった回答は「送料が無料」が62.4%と最も多く、次いで「品ぞろえが豊富」が45.5%、「ポイントが貯まる」が41.7%となった。
女性も男性同様に「送料が無料」が67.9%と最も多く、次いで「品ぞろえが豊富」が49.3%、「ポイントが貯まる」が45.0%となった。

Amazon 、楽天が人気なのは送料無料だからです。
他に「ヨドバシ.com」が送料無料ですが、それ以外は「購入●円以上で送料無料」「コンビニ受け取りなら送料無料」など制約があります。

楽天ブックスを利用する読者が意外と多いのは、ポイント制度にあります。
楽天ブックスには単行本のまとめ買い促進ページがあったり、まとめ買い商品にはブックカバーがついたりと、Amazonとは違った販促を行っています。

送料やポイントは、作家・出版社側ではコントロール出来ません。上のグラフの項目から、自力でコントロール出来そうなものを赤で囲みました。

・リアル書店に置いてない本の取り扱いがある
・本のレビューが参考になる
・限定特典付きの商品がある
・ニュースサイトやブログにリンクがついてた

これらについては、オンライン書店での販促策の記事で事例を出していきます。

利用する環境

PCとスマートフォンの併用状況についてオンラインショッピングサービスで利用者数1位の「アマゾン」と2位「楽天市場」を比較してみると、共にスマートフォンからの利用が多く、70%以上の人がスマートフォンのみで利用していました。年代別では若年層ほどスマートフォンのみの割合が高く、共に80%を超えていました。

7割以上の人がスマホで購入しているようです。
SNSをスマホで利用したり、検索をしつつ漫画を購入する人も多いと思います。

私が漫画を買うとき

私がスマホ経由で買う場合を思い出すと

1)Twitterやブログなどで新作や面白そうな漫画を知る
2)記事のURLをクリック → Amazon/楽天ブックスのアプリに移動
3)予約、もしくは購入

…という流れが多いですね。
リンクがついてない時はタイトルや作者名で検索しますが、後回しにして忘れることもあります。

パソコンだとSNSと並行して検索したり出来ますが、スマホだと並行作業がしにくいのでTwitterならTwitter、InstagramならInstagramからリンクを貼る必要があります。

この辺もSNSの活用についての記事で深堀りしていきます。

まとめ

以上、現代人が本を買う場所ついて、でした。
もう1回まとめると、

・リアル書店の売上はオンライン書店の5倍
・割合(シェア)は全体の1割程度だが、オンライン書店の売上は年々増加している ※金額ベース
・オンライン書店を利用している人の割合は本を買う人の4割程度 ※人数ベース
・オンライン書店で漫画を買う人の割合は他の書籍よりも高い
・初版部数が少ない作品はオンライン書店や電子書籍の購入を促した方が良いのでは?
・オンライン書店はAmazon、楽天ブックスの2つを押さえれば良い

やはり、リアル書店で買う人が多いし売上も高いですが、オンライン書店(ネット通販)を利用する人も少なくありません。

次回以降は実際に行われた販促策を見ながら、買ってもらうにはどうすれば良いか?を考えていきます。
まずはリアル書店、次にオンライン書店や電子書籍配信について、販促キャンペーンの事例を挙げていきます。

続きはこちら。

単行本を拡販する方法まとめ②~リアル書店での販促を考える

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