育児漫画描く人向けの記事

【メモ】漫画家と契約書

投稿日:2017年6月18日 更新日:

今日は漫画家と契約書のはなしです。
結論で言えば、契約書は色々大変なので、負担が少ない「覚え書き」で対応した方が良いと思っています。

SPONSORED LINK

漫画家と契約書

『とある新人漫画家~』の件に関連して、現在、こんなまとめを更新中です。
「原稿依頼がきた時に確認すべきこと」まとめ

特に新人作家にトラブルが多いようなので、チェックシートのようなものを作成しています。
先々、エクセルやワードでも作成し、Googleスプレッドシートで公開したいと考えています。

うちのブログとPixiv・Naverあたりでも同様の内容を書いて、なんとなく「目に触れやすい」、先輩作家が「これ見とけ」と言いやすい状態に持っていこうと思っています。
誤解がなく、公正であればと思うので、作家さんだけでなく、発注側や編集さんの意見もうかがえると嬉しいです。

漫画家と契約書

現在の商習慣では、単行本になるタイミングで「出版契約書」を結ぶようです。
単行本が電子書籍化、新装版、文庫版になる時にも「出版契約書」を締結します。

連載等については、契約書ではなく、メールベースでやり取りする人が多いようです。

そもそも、契約書ってどういうもの?

夏目義徳さんのツイートが、大変そのとおりだと思います。

(別意見の方もいると思いますが)私は、出版に関わる契約書は、作家を守るというより出版社を守る為の契約だと考えています。
単純に、出版社が損をしない為に締結する。なので出版社に有利な部分を読み解き、指摘するには、相応の知識が必要だと思います。

夏目さんの一連のツイートは参考になるので読んでもらえると嬉しいです。
夏目義徳さんの、漫画家と契約書に関するツイート

大変面倒くさい契約書のはなし

私の経験はゲーム会社での話です。
出版関連の知識はありません。

契約書作成とその流れ

契約を結ぶことで、それぞれの権利や義務、責任の所在をはっきりさせることができます。

当然ですが発注元(出版社)だけでなく、契約者となった作家側の責任も増します

誰と誰の契約なのか?

契約を結ぶ際、関係者を「甲、乙、丙」といった表記にします。甲、乙、丙に上下関係はありません。
誰と誰が当事者なのか?をはっきりさせましょう。

例1:作家と出版社の契約

甲:作家(企業体なら企業名と代表取締役社長の署名)
乙:出版社(代表取締役社長の署名が一般的)

例2:他に関係者がいる契約

WEB連載しててそこにも印税が入る、間に入ったエージェント(編集者)にも印税を払う場合は

甲:作家
乙:WEB連載媒体/編集者
丙:出版社

…となります。

契約期間はいつまで?

出版物の場合、長期間にすると、他の単行本を出す際に差し障るようです。

例:A出版社と、10年契約を結んだ

締結の3年後、単行本は絶版となった。

5年後、B出版社から新装版を出したい、と声がかかった。

…といった場合、A出版社の契約に反します。

ゲーム会社の場合

ゲーム業界では契約期間は1年間で、その後は自動更新、何かあれば都度相談して契約を見直す、といった形が多いです。

契約書締結までの流れ

1)ドラフト(草稿)作成

関係者と連絡をとり、誰が契約書のドラフトを用意するか決めます。

自社で作成することになった場合、会社が持つテンプレート(雛形。元は弁護士が作成したもの)をもとに契約条件を書き加え、ドラフト(草稿)を作ります。

弁護士に契約書作成を依頼する場合、取引内容や額面にもよりますが、顧問契約してたら5~10万円、してなかったら10~20万円かかります。

ドラフトはwordで作成することが多いです。
wordには「変更履歴を保存する」機能があり、どこを変更・修正・削除したか、履歴が分かります。

2)ドラフトのやりとりをする

ドラフトをメールでやりとりします。

一語、一文を検証し、不利な部分がないか、不公平さはないか、等をチェック。
言い回しを直したり、文章を追加したり削除したりします。
必要なら弁護士にお願いしてチェック、修正、アドバイスしてもらいます。

双方、修正する部分が無くなったら終了。

著作権等の法律的な知識も必要ですが、不要な文章や曖昧な表記にツッコミを入れる力=「契約書を読み慣れている」必要があります。

3)契約書の印刷、製本

最終版をプリンタ印刷し、製本します。

印刷した契約書をホチキスで止め、背表紙に白い製本テープを貼ります。
契約時には(契約書の改変を防ぐために)製本テープの上にも捺印します。

画像で見たい場合はこちらを。
契約書の製本・契印のやり方(業務提携・契約ドットコム)

必要な場合は内容に応じた収入印紙を貼ります。

4)捺印し、それぞれが保管

製本した契約書を関係者に送り、住所を記入、署名、捺印。

企業の場合は手書きではなくスタンプ+社印です。

裏表紙と署名欄に捺印します。
場合により、2つの契約書の頭を合わせて割り印を押します。

5)定期的な見直し

契約期間にもよりますが、定期的に確認。
必要あれば、再度契約を結び直します。

契約書の大変なところ

時間がかかる

関係者の合意形成が必要なので、契約書が「決定」するまでに時間がかかります。

テンプレ(雛形)通りで終わる場合もありますが、社外だけでなく社内の合意形成にも時間がとられる。

ゲーム会社では社長とディレクター(企画担当者)、私の3人でチェックしていました。
社内でチェック後修正し、相手先に送る。
返ってきた契約書(ドラフト)を再検討…。

ゲーム会社は1回の取引額が●千万円単位ということもあり、やりとりしてて1カ月経つ、はザラでした。

お金がかかる

上でも書きましたが、契約書のテンプレートは弁護士に作成してもらったものです。
また、契約後に問題が発生した場合は弁護士に相談、場合によっては訴訟や裁判を起こす必要が生じます。

ゲーム会社では顧問契約料を月5万円払っていました。
その弁護士さんの場合、顧問契約なしの契約書チェック+アドバイスは3万円と言ってました。

また、人件費がかかる。

本気でやる場合は専門の担当者(法務担当)が必要になります。
これは漫画家だけでなく、出版社にも必要になります。

専門知識が必要

法律の知識と、契約書を読みこなし、文章を作成する能力が必要です。

連載の度に契約を締結するなら、専用のスタッフ(一般に「法務」と呼ばれる担当者)が必要になります。
弁護士も、著作権や出版に詳しい・専門にしている方を探す必要があります。

ゲーム会社の時は私が人事・経理・庶務全般・広報・法務、を全て担当していました(特殊なケース)。

提案:メールでの「覚え書き」で良いのでは?

契約書でない、メールベースでの「覚え書き」でも、充分に戦えます。
例えば編集者が信用出来ない。初めてなのでトラブルが起きないか不安、と思っている。

その場合、万全を期したいなら、

・メール自体を保存する

(メールは改変可能であるため)
・受信した日付が分かる状態でスクリーンショット(画像データ)を残す
・受信した日付が分かる状態でプリントアウト/コピーする

…をすれば、訴訟や裁判で証拠品として扱ってもらえる可能性が高まります。

参考:
裁判で、メールにはどの程度の証明力がありますか

まとめ

漫画家がアシスタントにサポートをお願いしている場合、「業務委託契約書」。
漫画家がアシスタントを雇っている場合、「雇用契約書」。
単行本が出る場合は「出版契約書」を結ぶ。これ自体は良いと思います。

ただ、みんながみんな「契約書!」てなると、出版社の対応も大変です。

雑誌やWEB連載などの仕事の受注・発注の時に都度「契約書を結ぶ」…とするのは、資金があって守るべき社員もいる、スタジオを構えるような作家さんだけで充分かと思います。

なので佐藤秀峰さんの行動・発言もまた、正しいと思っています。

漫画家と契約の話(佐藤秀峰のnote)

何かの参考になれば嬉しいです。
また、Togetterまとめの方にもコメント+アドバイス頂けると助かります。

「原稿依頼がきた時に確認すべきこと」まとめ
漫画家と契約書に関する情報まとめ

それでは~

SPONCER LINK

SPONCER LINK

-育児漫画描く人向けの記事
-, , ,

Copyright© 育児漫画目録 , 2017 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.