出産時の年齢が30~39歳

『2人目まだなんです』(桜まづる)感想~”妊娠できて当然”ではない?2人目不妊の現実~

投稿日:2014年10月15日 更新日:

イラストレーター・桜まづるさんによる、自費出版電子書籍(Kindleのみ)です。

作者は30歳で自然妊娠した長女を出産。
33歳の時「そろそろ2人目を…」と通院しながらタイミング法メインで1年間チャレンジするも授かることが出来ず、体外受精にチャレンジ。
自身の2人目不妊の治療体験(体外受精)が描かれています。

読むと「2人目不妊」の現実を直視せざるを得ない為、気分的にへこみますが、重めの体験も勢いよくサラッと描いてあり、読後感は良いです。
販売はKindleのみ。140ページで300円です。

コマが大きくてiPhoneでも読みやすく、不妊治療に関する情報も色々と詰まっています。
300円でこの内容の濃さなら、安いと思います。

amazon ★★★★(4.3) ※レビュー3件

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【内容紹介】

一人目は自然妊娠。なのに二人目で突然不妊に。
タイミング法、AIH(人工授精)、を経てついに体外受精へ。
体外受精するもふりかけは全滅。原因不明の受精障害という事が判明する。
さらにクラミジア感染&多嚢胞体質も見つかることに。
多嚢胞の原因、インシュリン抵抗性とは?
多嚢胞で溜まった小卵胞を一掃すべく転院するも、そこで恐怖の採卵にあい、PTSDになってしまう。

かかった費用は135万円。
「不妊治療 あっという間に 貧乏人」
貯金が尽きるまでに妊娠できるのか!?

【感想】

自費出版で編集者や出版社が関わっていない分、作者が感じたそのままが描かれているリアル感が特徴です。
管理人は「不妊治療の体験漫画一覧」をまとめており、不妊治療漫画も何冊か読んでいますが、他作品と比べて病院の様子や違いが分かりやすいと感じました。

作者のプロフィール

作者の桜まづるさんはイラストレーター。

結婚する前から「子どもができにくい家系なのでは?」…と思っていたけれど、30歳の時、タイミング法を8か月試して長女を妊娠。

1人目を妊娠できたなら、2人目もすぐにできるよね。
子どもはできれば3人、少なくても2人は欲しい…。

出産から2年後、そろそろ2人目を…と考えてタイミング法を開始。
しかし、1年試しても妊娠することが出来なかった。

34歳という年齢を考慮し、体外受精にチャレンジすることに。

家族は作者本人、13歳年上の夫、娘の3人。
作者の実父(作者が通院中、娘の面倒をみてくれる)も登場します。
2人目まだなんです

漫画の構成

全140ページですが、1ページに描かれるコマ数が少なめなので、さらっと読めます。
私はiPhone4Sで読みましたが、読みにくいと感じるところはありませんでした。

漫画は、2人目を作ろうと考え始めた作者・33歳、夫・46歳のある日から始まり、2人目を妊娠する為に通院した、4つの病院での治療の様子が描かれます。

「不妊治療」の看板を掲げた病院と一口に言っても、これだけ治療方針や内容が違うのか…!と驚きました。
病院の名前は伏せられているものの、病院の様子や医師の話はありのままに描かれているので、病院選びの参考になるかもしれません。

また、病院によって「精子の状態」の検査結果が全く違うことにも驚きました。

作中では、女性側の不妊治療を中心に描かれますが、46歳で週休0日と多忙な状況の夫の精子の状態も良いとはいえず。
男性不妊の専門は泌尿器科なので産婦人科は専門医ではないのですが、こうもバラバラだと複雑な気持ち…。
(続編である『2人目できたんです』の中で作者は、使用する医療機器によって精子の判定も変わるのではあまり参考にならない…と嘆いていました)。
2人目まだなんです

最初の病院-近所の産婦人科

33歳で、排卵検査薬によるタイミング法を開始。

さっぱりなので近所の産婦人科に相談。排卵チェックに加えhcg注射(排卵誘発剤)で試すも妊娠できず、AIHにステップアップ。
そんなこんなで1年が過ぎ、体外受精にチャレンジする為、不妊専門病院に通い始めます。
2人目まだなんです

2つ目の病院-不妊専門Mクリニック

家の近くにあるMクリニックでは「ショート法」を試しますが、うまくいかず。
体外受精を試したことで「受精障害による不妊」であることが分かります。

麻酔が効きにくい体質だった作者は、採卵が痛すぎる為、麻酔なしで採卵できるAクリニックへ転院。
2人目まだなんです

自然周期で有名なAクリニック

この時点で35歳。
Aクリニックでは最新医療機器を使っているのが特徴。
驚くほどお金が飛んでいくけれど、最新医療機器による恩恵が多い印象。

麻酔なしで採卵しても痛くない、最先端の「1本4万円の針」には驚きました…。
2人目まだなんです

採卵技術が高いGクリニック

多嚢胞だった作者は、友人の勧めでGクリニックに。
希望通り、子宮に残っていた小卵胞を一掃してもらえたけれど、この体験による痛みと恐怖が元になり、PTSDになってしまう…。
2人目まだなんです

この説明だけだとGクリニックが酷そうなのですが、そもそも「不妊治療を受けていて、Gクリニックで妊娠出来た友人の勧めで」通い始めた病院。
友人にとっては良い病院でも、作者には全然合わなかった…ということ。

病院選びって難しいですね。
この漫画を読むだけでも多くの要素が見えてきます。
医師との相性だけでなく、自分の体質、医療設備、お金の負担額…。

作者は麻酔が効きにくい体質だったこともあり、再度Aクリニックに戻って治療(体外受精)を続けていきます。

この漫画の特徴

・「2人目不妊」をテーマにして描いていること
・不妊治療を専門とする病院の違いがわかること

体験者自身の生の声が描かれているのが良いところであり、現実が見えすぎて尻込みしてしまいそうでもあります。

自分と重ねて考えたこと

我が家には2人の子どもがいます。
運よく、2人目は比較的すんなりと授かることができましたが、「2人目不妊」に対しては関心がありました。

私は、1人目はなかなか妊娠できませんでした。
周囲から「次はどうするの?」「上が女の子なら次は男の子が…」と話を振られる度に、「2人目…妊娠出来るのだろうか…?」と不安を覚えました。
1人目は自然にできているのですから、2人目も自然にできる…ってそんなものなのだろうか…?

冷静に考えると、「加齢による卵子/精子の能力低下」は、2人目を妊娠する時にも当てはまる問題。
しかし、1人目を妊娠していると、周囲も自分自身も「2人目も妊娠できるだろう」という認識になってしまう。
2人目まだなんです

この作品の存在は知っていましたが、先日、衝動的に購入しました。
勢いがある内容で一気に読みました。

2人目を授かる前に「2人目不妊」の心配をしていた私ですが、それでも「2人目不妊ってここまでなの…!?」と思わずにはいれませんでした。
治療の内容は、1人目不妊の場合と変わらない。

1人目がいるから頑張れる部分もある。
その一方で、1人目がいるからこそ、2人目を望む自分が欲深いと感じてしまう。葛藤が増す部分もある。
2人目まだなんです

治療にかかったお金についても書かれています。
やはり…結構な金額がかかりますね…。

子どもが産まれると、夫婦2人で過ごしていた頃よりも財布の紐が固くなります。

これだけのお金を使えるのか。
1人目の面倒を見ながらの通院は可能か。
仕事と治療の両立は…?

自分が2人目不妊に直面していた場合、現実的に、作者のように治療にチャレンジできただろうか…?
作者の体験を通じて、様々な思いが駆け巡ります。

この作品では夫との喧嘩や性病感染(クラミジア)など、夫婦関係については軽くしか書かれていませんが、夫婦関係も重要なポイントです。
1人目を授かる前は「夫婦仲が悪くなるくらいなら、子どもがいなくても…」と思って治療には至らなかった私ですが、娘を産んで子どもの可愛さを知り、2人目を望む気持ちが強くなりました。

手のかかる子どもがいる中で、夫婦仲を維持しながらの不妊治療は大変そうです。
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作者がありのままを描いている為、2人目不妊治療を行う上での現実が見えてしまい、目を背けたくなります。
でも、この1冊を読むことで、情報を整理することができ、具体的にこれからを考えることが出来る気もします。

まとめ

2人目不妊治療を体験した作者の本音が詰まった1冊だと思います。
今作は不妊治療の途中で終わりますが、その後発売された続編『2人目できたんです』では、2人目を妊娠・出産できたことが報告されています。

正直、治療の苛酷さに読んでいて辛くなる部分もありますが、現実を直視することで未来に希望が持てる1冊だと思います。

(2016/1/4追記)
2冊目『2人目できたんです』はKindleでの販売を中止されたようです。

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